2024年12月に自動運転タクシー事業から撤退することを発表した米自動車大手のゼネラルモーターズ(GM)。傘下であるCruiseの自動運転タクシー事業には今後出資せず、GMとCruiseの技術チームを統合し、個人向けの自動運転車の開発を加速していくことを決めている。
そしてこのほど、Cruiseの従業員の半数にあたる約1,000人を解雇したことが判明した。自動運転タクシー実用化を断念することを発表してからすぐ、スピード感のある解雇となった。
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■Cruiseの従業員の半数を解雇
GMは2025年2月4日、Cruiseの買収を完了し、全従業員の半数を解雇した。解雇された従業員は、カリフォルニア州やアリゾナ州、その他の地域に拠点を置いていた。GMの広報担当者によると、ミシガン州で働いていた従業員は解雇されなかったようだ。
解雇されたCruiseの従業員には2月4日に通知が届き、GMはCruiseの閉鎖とGMとの統合を完了させた。GMは管理職を含む複数の職種を削減したが、具体的にどんな職種の人員が解雇されたかについては明らかにされていないようだ。
Cruiseの従業員のうち1,000人は残り、GMのADAS(先進運転支援システム)のエンジニアリング部門に統合される。Cruiseのエンジニアリングと技術部門の約80%の人員は、雇用が維持されたという。
GMの広報担当者は解雇された従業員について、「彼らの情熱と貢献に感謝しており、次のキャリアに向けた退職金や就職支援を提供することに注力している」とコメントしている。
■GMの今後の計画とは?
GMは、吸収したCruiseのメンバーとともに自家用車のADAS・自動運転開発に注力していく。その中にはADAS「SuperCruise」も含まれる。SuperCruiseは北米の75万マイル(約120万キロ)の道路でハンズオフ運転を可能にする技術で、20車種以上のGMのモデルに搭載されている。
今後ADAS開発事業に従事する従業員の人数は明かされていないが、Cruiseのカリフォルニア州の従業員は引き続きベイエリア(サンフランシスコ)にとどまるという。
ミシガン州の従業員は、同州デトロイト郊外にあるGMの研究開発拠点「ウォーレン・テクニカル・センター」または実験施設「ミルフォード・プルービング・グラウンド・テストコース」に配属される。
【参考】関連記事としては「GMの自動運転タクシー、「またトラブル多発」の懸念 テスト再開へ」も参照。
■Cruise閉鎖までの経緯
世界で初めて自動運転タクシーを商用化したのは米Google系の自動運転開発企業Waymoで、2018年にサービスをスタートした。これに次いだのがCruiseだ。2022年にカリフォルニア州サンフランシスコで自動運転タクシーサービスを開始した。
Cruiseは2023年までにアリゾナ州フェニックスとテキサス州オースティンにもサービスエリアを拡大し、Waymoとの競争関係にあった。しかし2023年10月にサンフランシスコで人身事故を起こしたことにより、状況は一変する。
カリフォルニア州道路管理局(DMV)と同州公共事業委員会(CPUC)により、州内における営業停止と無人自動運転走行許可の停止処分を受けることになった。Cruiseはソフトウェアのリコールを実施し、他州での自動運転も停止した上、当時のCEO(最高経営責任者)であるカイル・ヴォグト氏が辞任する事態にまで発展した。
同社は方針を改め、セーフティドライバー付きの実証を再開した。2024年8月には配車サービス大手Uber Technologiesと提携し、2025年に自動運転タクシーを再開する計画を発表するなど、着実に復帰への道を歩んでいたかのように思われた。しかし、親会社のGMは最終的に自動運転タクシー事業からの撤退を決断した。
■かつては自動運転タクシー車両100万台計画も
2022年3月には、自動運転タクシーの車両数を2030年までに100万台まで増やすという目標を立てていたCruise。それから3年足らずで、自動運転タクシーのサービス拡大どころか事業から撤退、大量解雇せざるを得なくなった。
自動運転関連では、これまでにも有力スタートアップが事業閉鎖した例がいくつかある。自動運転に代表される先進技術は開発に莫大な予算が必要で、黒字化まで長い年数を要することがほとんどだ。GMのような大企業でももちこたえることができなかった自動運転タクシーの実用化。自動運転開発がいかに難しいものであるのかを感じさせる。
【参考】関連記事としては「ホンダ、自動運転タクシー計画を「白紙撤回」か GM撤退による影響不可避」も参照。