GMの自動運転タクシー、「またトラブル多発」の懸念 テスト再開へ

2023年10月から全面的に運行停止中



出典:GM Cruise公式サイト

米GM(ゼネラルモーターズ)傘下で自動運転車を開発しているCruiseが、2024秋後半から自動運転車のテスト運行を再開する。

2023年10月に人身事故を起こしたことなどが引き金となり、自動運転タクシーの運行を全面停止していたCruiseだが、カリフォルニア州サンフランシスコのベイエリアで最大5台の自動運転車の監視付きテストを行う予定だという。


しかし過去に起こした事故を考えれば、Cruiseの安全性への疑念は簡単には払拭できず、ベイエリアの住民からは「またトラブルが多発するのでは」といった懸念の声も出ているようだ。

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■この秋から監視付きテスト走行スタート

Cruiseは日本時間2024年9月20日、X(旧Twitter)に下記の内容を投稿した。

翻訳すると、以下の通りとなる。

本日より、サニーベールとマウンテンビューに数台の手動マッピング車両を配備し、今秋後半には最大5台の自動運転車による監視付きテストに進む予定です。ベイエリアでのテスト再開は、カリフォルニア州の規制当局や地元関係者と緊密に連携し続ける上での重要な一歩となります。これにより、当社の現地従業員は研究開発を通じて技術を磨き、改善しながら、自社製品に直接関わることができるようになります。

世界で初めて自動運転タクシーを商用化したのは米Google系のWaymoだが、それに続いたのがCruiseであった。Cruiseは2022年2月にサンフランシスコで自動運転タクシーサービスを開始した。その後、アリゾナ州フェニックスとテキサス州オースティンにもサービスを拡大している。


2023年2月には、無人運転による走行距離が100万マイル(約160万キロ)を突破したことを発表した。なお同社はライバルのWaymoよりも先に海外展開を実現した。2021年4月にドバイで自動運転タクシーを独占的に運行する契約をドバイ道路交通局と結び、2023年からドバイで自動運転タクシーの運行を開始することを発表している。

■相次いだ事故やトラブル

出典:X(https://twitter.com/TerryMcSweeney/status/1709097787613487516)

順調に見えたCruiseの自動運転タクシーの運行だが、2023年3月にはCruise車がバスに追突する事故を起こした。Cruiseの自動運転タクシーが走行中、バス停を出発したバスが前方に出てきて停車したところ、ブレーキが間に合わず時速10マイル(約16キロ)で追突したという。Cruiseはリコールを届け出て即座にソフトウェアを改善し、再発防止策を講じた。

以前からCruiseはたびたび交通トラブルを起こしていた。2022年5月と6月に、10台ほどのCruise車が数時間にわたり立ち往生し、道をふさぐトラブルを起こした。そのほか、横断歩道を渡ろうとしていた歩行者に道を譲らなかったり、Cruise車が消防車の行く手を阻んだことで消防車を足止めしたとりいったトラブルもあったようだ。

自動運転タクシーの全面停止が決定的になったのは、2023年10月に起こした人身事故が原因だ。サンフランシスコの路上でCruise車が歩行者を引きずり、重傷を負わせるといった大事故であった。

これにより、同社はカリフォルニア州での自動運転タクシーの運行許可を取り消され、全米での運行を全面停止するに至った。同年11月には、当時のCEOが辞任している。さらに、親会社のGMは自動運転タクシーの専用車両「クルーズ・オリジン」の開発を無期限に停止することを2024年7月に発表した。

■Cruiseは信頼を取り戻せるか

Cruiseは2024年4月、「手動運転」によるデータ集めを一部都市で再開すると発表した。そして、このほど監視付きであるものの自動運転のテスト走行を行うことを発表した。

同社は一度失った信頼を取り戻すことはできるのだろうか。日本では、ホンダ・GM・Cruiseで共同開発したクルーズ・オリジンにより、自動運転タクシーサービスを2026年初頭に開始する予定だと2023年10月に発表済みだ。Cruiseの運行停止により日本での計画がどうなっているのかについても、気になるところだ。

【参考】関連記事としては「GM、自動運転タクシー再開へ「手動運転」でデータ収集開始」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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