東京メトロの時価総額、中国の「駆け出しの自動運転企業」に負ける

Horizon Robotics、同時期に香港IPO



東京メトロの上場が話題だ。同社は2024年10月23日に東京証券取引所のプライム市場に上場した。終値ベースの時価総額は1兆103億円という大型のIPOとなった。しかし東京メトロは、市場は異なるものの、ほぼ同じタイミングで上場したある中国の自動運転開発企業の上場初日の時価総額にはわずかに及ばなかった。


その中国企業は「Horizon Robotics」。同社は設立から10年ほどが経つが、社史をさかのぼれば長い歴史がある東京メトロから見れば、まだまだ「駆け出しの企業」だ。10月24日に香港市場に上場したHorizon Roboticsの時価総額は日本円にして約1兆510億円であった。

投資対象としての自動運転技術に対する注目度の高さが、改めて浮き彫りになった。

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■2社の上場の概要

東京メトロが売り出したのは国と東京都が保有していた2億9,050万株で、上場初日の終値は1,739円。時価総額は1兆103億円という結果となった。

対するHorizon Roboticsは、上場初日の終値が4.1香港ドル(約81円)で、時価総額は69億ドル(約1兆510億円)に達した。東京メトロの時価総額より約407億円上回ったことになる。同社のIPOは、2024年における香港での2番目の規模となったようだ。


市場が違うため一概に比較はできないが、日本で上場が大きな話題となった東京メトロより、中国企業Horizon Roboticsの方が時価総額では勝っているということになる。

■自動運転開発企業Horizon Robotics

出典:Horizon Robotics公式サイト

中国・北京を本拠とするHorizon Roboticsは、AI(人工知能)研究者のYu Kai氏により2015年に共同設立された。同氏は中国IT大手の百度(バイドゥ)の自動運転プロジェクトを立ち上げた実績がある。

独自のソフトウェアとハードウェアを備えた乗用車向けのADAS(先進運転支援システム)や自動運転ソリューションを開発しているHorizon Roboticsは、中国を代表する自動運転開発企業の1社である。

2022年10月に、独フォルクスワーゲングループ(VWグループ)におけるソフトウェア専門開発子会社「CARIAD(カリアド)」と、中国に合弁会社を設立することを発表している。


また2024年7月には、VWのEV(電気自動車)「ID.4」にHorizon Roboticsの自動運転システム「Horizon SuperDrive」を搭載し、自動運転走行している動画を公開している。雨天という悪天候の中、人間がハンドルに手を添えずに一般道をスムーズに走っている様子が紹介されている。市販車にはまだ搭載されていないが、VWとの関係は今後ますます深まっていきそうだ。

▼Horizon Robotics公式サイト(英語版)
https://en.horizon.auto/

■中国企業がますます存在感を増していく?

中国は、国を挙げて自動運転の実用化に取り組んでいる。特にHorizon Roboticsが本社を構える北京では、広大な自動運転モデル地区で開発各社による自動運転車のテスト走行が行われるなど、米国企業なども注目しているエリアだ。

中国発の自動運転開発企業は米国にも拠点を持ったり、米国市場に上場したりといったことも多い。Horizon Roboticsの上場により、中国の自動運転開発がよりパワーを持つことは確実だろう。引き続きHorizon Roboticsやそのほかの中国企業にも注目していきたい。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
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