中国、「東京都の1.5倍の広さ」を自動運転モデル地区に!範囲を大幅拡大

北京市で大規模なテスト走行が可能に

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中国の北京市は、自動運転車の開発に積極的な都市として知られており、すでに多数の行動実証実験が行われている。今後、その範囲がさらに拡大する。

現地メディアの報道によると、同市の自動運転モデル地区が約3,000平方キロメートルに拡大予定だという。3,000平方キロは、東京都の面積2,194平方キロの約1.5倍、鳥取県の3,507平方キロより少し小さい面積と言えば、その広大さが伝わるだろうか。

米国では、カリフォルニア州で多数の開発企業がドライバーレスの自動運転車のテスト走行許可を取得している。北京市は、カリフォルニア州に続く自動運転実証の世界的中心地となっている。

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■600㎢から3,000㎢に大幅拡大

報道によると、北京市は「自動運転車条例」の立法を進めているという。施行は2025年の予定で、現在600平方キロが整備されているハイレベル自動運転モデル区が拡張され、自動運転の走行実証がより大規模に行うことができるようになる。

第4環状道路と第6環状道路の間に設置され、将来的に3,000平方キロになる予定だ。これは、北京市の総面積16,410平方キロの約5分の1となる広さである。

ハイレベル自動運転モデル区の開発スピードは、めざましいものがある。このエリアは2020年9月に建設が始まった。2024年6月に、160平方キロから600平方キロに拡大されたばかりであった。すでに約30社の企業にテスト許可が発行され、800台以上の自動運転車が配備されているという。

なお北京市は自動運転を段階的に普及・推進していくため、2021年4月に北京市インテリジェント・コネクテッド・ビークル(ICV)政策先行区を設定している。2023年3月には完全無人の自動運転実証、同年7月からは完全無人自動運転タクシーの商用化に向けての試験がスタートしている。

■「自動運転コンビニ」の実証実験も

北京市は、中国のIT大手Baidu(百度)に同市初の「運転席無人」の自動運転車の公道実証許可を2020年12月に発行した。また2021年4月には人の移動を担う自動運転サービスの商業運用を前提に、百度や自動運転スタートアップPony.ai、中国ライドシェア最大手Didi Chuxing(滴滴出行)の3社に走行許可を付与している。

同年5月には、自動運転配送車両の管理指針を発表し、中国スタートアップのNeolix(新石器)とEC大手JD.com(京東商城)、Meituan(美団)に自動運転実証エリアの公道走行を許可した。Neolixは、自動運転車150台以上を導入し、コンビニエンスストアサービスを展開する計画だ。

自動運転レベル4に特化して開発を行う中国のWeRide(文遠知行)は、北京で完全無人の自動運転タクシー(ロボタクシー)の有料サービスの提供準備が整ったことを2023年12月に発表した。

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■独メルセデスもテスト走行許可取得

北京市では、自動運転技術の開発を支援するための規制案を2024年6月下旬に策定しており、すでにBaiduのほか第一汽車が生産する高級車ブランド・紅旗、WeRideなどに対しレベル4の自動運転テスト許可を発行している。

同年8月には、ドイツの高級車メーカーであるメルセデス・ベンツが、同市でレベル4の自動運転走行テスト許可を取得したことを発表した。中国以外で承認された企業は、メルセデスが初となった。

同社の発表によると、レベル4の自動運転の路上試験では駐車やUターン、ラウンドアバウトの出入り、料金所の通過、前方車両が減速した場合の車線変更などを行うという。北京市は1,160キロ以上の公道を試験走行のために開放しているという。

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■テスラも注目する中国市場

自動運転タクシーの実用化を計画している米EV(電気自動車)大手テスラも、中国に熱い視線を送っているとして知られている。同社は2018年に現地法人「Tesla Shanghai」を開設し、翌2019年にはEVの生産工場「ギガファクトリー」をオープンさせている。

2024年6月には、テスラのADAS(先進運転支援システム)である「FSD(Full Self-Driving)」が、上海で走行テストを行う許可を取得したと米メディアにより報じられた。

テスラCEO(最高経営責任者)であるイーロン・マスク氏は2024年4月に中国を訪問した際に、FSDを中国で本格展開する前のデータ収集として、FSDを搭載した自動運転タクシーを試験走行させることを提案したと言われている。それに対し中国側も前向きな姿勢を示していたようだ。

世界の自動運転開発における有力企業が、中国、特に北京や上海などに進出している。北京の自動運転モデル地区がさらに巨大化することで、その流れはますます加速しそうだ。

【参考】関連記事としては「自動運転、アジアの最新事情(2024年最新版)」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)



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