日本全国の清掃車、中国製「無人化車両」に段階的移行か

PIX Movingが日本進出、「人手不足」に商機



中国の自動運転開発企業であるPIX Movingの日本での活動について、JETRO(⽇本貿易振興機構)が外資系企業動向として紹介している。日本での販売拡大を目的として2023年4月に日本法人の「株式会社ピクシームービング」を設立、主にロボットとそのパーツの販売やアフターサービスの提供を行っているという。


自動運転清掃車を展開するPIX Movingが日本法人を設立したことで、人手不足の中で日本の清掃車がいずれ中国企業の無人車両に取って代わられてしまうかもしれない。

清掃事業を展開する事業者にとっては、無人化車両を導入することで人件費や採用関連費用の抑制につながり、コストを抑えて道路清掃業務を展開することができるメリットがあるからだ。

■JETROが日本進出を支援

出典:JETROお知らせ

JETROの公式サイトでは、PIX Movingは「世界初の自動運転向けスケートボード型シャーシ(Skateboard chassis)を開発した中国の企業」と説明されている。スケートボード型シャーシに加え、各種MaaS用ロボットや自動運転EVバス「ROBOBUS」などの製品も展開している。中国のほか米国やスイスにも拠点があり、従業員は世界7カ国で約200名となっている。

▼自動運転技術を展開する中国のPIX Movingが日本法人を設立|JETRO
https://www.jetro.go.jp/invest/newsroom/2024/86f82238ca73f7e4.html


PIX Movingの日本拠点設立に際し、「ジェトロ対日投資ビジネスサポートセンター(IBSC)」は、補助金・インセンティブ情報の提供や不動産物件情報、地方自治体との面談アレンジ、サービスプロバイダの紹介、コンサルテーション(ビザ、税務、労務)などの支援を行った。

同社のコア技術である四輪ハブモーターを用いた分散型電気駆動技術により、安定的で精密な車両制御が可能となる。ROBOBUSのほか、無人清掃車(Sweppingrobot)や無人配送車といった製品を実用化しており、中国で多数展開されている。欧米や東南アジアなどの30カ国で販売実績があるという。

【参考】関連記事としては「レベル4自動運転ミニバスを開発!中国系PIX Movingとは?」も参照。

■日本のIT企業とも提携

出典:PIX Moving公式サイト

PIX Movingは、TISインテックグループのIT企業であるTISと資本・業務提携したことを2022年7月に発表している。まずは、MaaS、スマートシティ分野が拡大する中国市場において、PIX MovingとTISとTISインテックグループの中国現地法人の3社が共同で、MaaS関連のITサービスの構築・提供を行っていくとしている。


先行領域として介護施設やオフィスビル、工場などを対象に、屋外で稼働するサービス型自動運転EVをPIX Movingが開発し、屋内のロボットやビル設備も含めた統合管理を複数ロボットを統合管理するTISのプラットフォーム「RoboticBase」で実現する。また、PIX Movingが開発する自動運転EVに、TISの決済やXR(Extended Reality)などを組み合わせた新たなサービスも開発していく予定だという。

2023年11月には、国際IT見本市「ResorTech EXPO 2023 in Okinawa」にて、TIS展示ブース内の他に敷地内のキッチンカーの並びのスロープにROBOBUSを展示し、試運転も実施した。なお、ROBOBUSは自動運転「レベル4」となっている。

■移動型コンビニ事業にも参入

PIX Movingは、移動型コンビニなどを展開する米Robomartと提携したことを2024年2月に発表した。モバイルコンビニ向けの車両製造を行い、市場に投入していく計画のようだ。

PIX Movingが手掛けるのは、自動運転EVバスだけではない。無人清掃車や無人配送車なども展開している。コロナ禍では、中国系企業WeRideが中国内で自動運転の道路清掃車を稼働させ、話題になった。

少子高齢化などによる人材不足が深刻な問題になっている日本でも、無人で動く清掃車や配送ロボットの需要は高い。PIX Movingが日本に本格参入したことで、今後国内でも同社のモビリティを目にする機会が増えていくかもしれない。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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