ついに「量産型」の自動運転タクシー!中国で来年製造スタート

DiDiが発表、広州汽車集団と共同開発



中国ライドシェア最大手で自動運転開発も手掛けるDiDi Chuxing(滴滴出行)が、自動車メーカー大手の広州汽車集団(GACグループ)とタッグを組み、自動運転レベル4の自動運転タクシー(ロボットタクシー)開発に取りかかっている。


DiDiは、GACグループのEV向けブランド「GAC AION」と自動運転の合弁会社「Guangzhou AIDI Technology」を設立しており、このほど営業ライセンスを取得したという。両社は共同で量産型のロボタクシー車両を開発、来年2025年に製造が開始される。

▼DiDi Autonomous Driving’s Joint Venture with GAC Aion to Mass Produce Crossover SUV Robotaxi Next Year
https://www.didiglobal.com/news/newsDetail?id=1053&type=news

■両社は合弁会社の設立をすでに発表

出典:DiDiプレスリリース

DiDiとGAC AIONは、ドライバーレスの新エネルギー車両量産プロジェクト「AIDI Plan」を共同で推進することを2023年5月に発表し、同時に合弁会社の設立も発表していた。

DiDiで自動運転開発を手掛けるDiDi Autonomous Drivingは、GACグループから出資を受けたことを2023年10月に発表している。ACグループの完全子会社であるGAC Capitalと、Guangzhou Development District Investment Groupから、最大1億4,900万ドル(約224億円)相当の出資を受けたという内容であった。この資金調達により、自動運転技術の商用化を加速するとしていた。


なおDiDi Autonomous Drivingは、DiDi Chuxingが2016年に自動運転を研究開発する部門として立ち上げ、2019年にスピンアウトした企業だ。

■レベル4の初回生産分は2025年に

両社が共同開発した最初のロボタクシーは製品定義が完了し、デザインなどの検討を行っている段階にあるという。自動運転レベル4の初回生産分は、2025年に量産される計画になっている。

DiDiの自動運転型無人インテリジェント・オペレーション・システム「Huigo Port」に完全対応し、ハイブリッド配車形式でDiDi Globalのネットワークに統合されるという。最初の量産モデルは、GAC AIONのハイエンドEV専用プラットフォーム「AEP3.0」や次世代の電気・電子アーキテクチャ「Xingling」、マルチフュージョン・パーセプション自動運転量産技術をベースにしている。

これにより、DiDiのレベル4都市型汎用エンジンとロボタクシー向けの独自の自動運転技術ソリューションを搭載する。


出典:DiDiプレスリリース

■激化するロボタクシー開発競争

ロボタクシーについては、米EV大手テスラのイーロン・マスクCEO(最高経営責任者)が「8月8日にテスラのロボタクシーについて明らかにする」とX(旧Twitter)でポストしたり、米Google系Waymoがライドシェア大手の米Uberと組んでロボタクシーによるフードデリバリーをスタートしたりするなど、最近動きがより活発化している。

DiDiとGACによるレベル4のロボタクシーがどのような形でリリースされるのかについても、引き続き注視したい。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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