自動運転中、中国人女性は「化粧」する

日本を含む各地で死亡事故も



出典:X

自動運転レベル2の普及が進む中国テスラのFSDと遜色ない水準のADASを各メーカーが実用化し、しのぎを削っている。

一方、誤った使用方法による事故も増加傾向にあるようで、現地メディアによると、運転中、コンパクトミラーを凝視しながら化粧する女性も現れたようだ。


最先端技術の気勢をそぐような悪質な行為と言えるが、こうした輩は後を絶たず、SNSなどで表面化したものは氷山の一角に過ぎない。過信や誤認が渦巻くレベル2、レベル2+の裏側に迫る。

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■レベル2(+)の誤用問題

運転中、化粧や食事などをする姿がSNSで拡散

Xアカウント「@CHINACASE2020」は2026年4月、中国現地メディアで放送されたものと思われる映像を公開した。

投稿には「中国では、ハンズフリーの自動運転が広く普及しており、他のことをしながら本当にハンズフリーで運転している女性もいる。SNSに動画を投稿した人が大量に逮捕されたりもしている(笑) ふざけたり、食べたり、メイクしたり。多くの人がSNSに投稿していないだけで、ハンズフリー運転をオンにしたら、ほとんどの人が一度はスマホを見ると思う(笑) 特に女性の場合、『自分は他の人より運転が上手い』という意識が強い」と投稿されている。

映像は30秒で、そこには運転席に座る女性3人がそれぞれ手放し運転する様子が収められている。一人目は、おもむろにビニール袋の中からパンのようなものを取り出し、両手で食べる様子が記録されている。

二人目は、左手にコンパクトミラーを持ち、それを凝視しながら右手のメイクブラシで目の周りを化粧する様子が収められている。完全に車両周囲の状況は目に入っていないものと思われる。三人目は、車内音楽に合わせているのか定かではないが、両手で忙しくダンスのようなものを行っている。

時流を反映してか、自ら違反行為をSNSでさらけ出してしまう人も多いようだ。一人目と三人目は、一応車両前方の状況を監視しているようでぎりぎりグレーとも言えそうだが、二人目は完全にアウトだ。コンパクトミラーに視界が集中し、前方を全く監視していない。何かあった場合、無防備のまま……という状況だ。

乗員全員爆睡、スマートフォン……

このほか、Threadsでは高速道路走行中、運転手含む車内の乗員全員が爆睡する動画も公開されている。相当な速度が出ているようだ。

▼動画はこちら(Threads)
https://www.threads.com/@supi.0222/post/DQBAM9LEdW_/video

Youtubeでは、ショート動画でLi Autoの車両を買ってハンズオフをさっそく試したところ、いきなり逆走しそうになる……という動画が見つかった。ADASに任せきりはやはり危険だ。

Instagramでは、運転手がスマートフォンに夢中でずっと下を見ており、その他の乗員が眠る中、衝突事故を起こす動画が公開されていた。ハンズオフ車なのかどうかは不明だ。

▼動画はこちら(Instagram)
https://www.instagram.com/reels/DTbTHYVk8U7/

中国では、BEV×先進機能を搭載したスマートカーが人気を博しており、アダプティブ・クルーズ・コントロールとレーンキープアシストを備えたレベル2はスタンダード化している。

このレベル2を高度化し、ハンドルから手を放すことができるレベル2+の導入も進んでおり、高速道路を中心に、一部は都市部の一般道路でもハンズオフ走行を可能にしている。テスラのFSD並みの性能と言える。

技術が急速に進展し利便性が飛躍的に増す一方、懸念されるのが技術に対する過信や誤認だ。かつての日本同様、開発・販売メーカーの一部はこうしたADASを「自動運転技術・機能」として誇大気味に宣伝した。その結果、ドライバーが運転操作や周囲の常時監視を必要としない真の意味での自動運転と誤認したり、高度かつ安全な技術として過信したりする事案が発生した。

前出の化粧の女性はその典型と言える。「このクルマは安全な自動運転だ」または「ADASだが事故を起こす前に対処してくれるだろう」などと信じていない限り、あのような危険な行為はできるものではない。

死亡事故も発生、中国政府も対策に本腰

2025年3月には、Xiaomi(シャオミ)のクルマが高速道路をレベル2機能「NOA」で走行中、前方に障害物を検知したシステムが警告していたものの手動運転モードに切り替えるのが遅く、ガードレールに衝突して大破して乗員3人が死亡する事故が発生している。

NOA起動後、軽度の注意散漫警告やハンドルを握る警告などが発されており、その後、前方障害物を検知してリスク警告を行った後に減速リクエストが出され、減速を開始した1秒後に手動運転に切り替わったものの、その1秒後にガードレールに衝突したようだ。

可能性として、直前までドライバーは前方を監視せず注意散漫な運転を続けており、システムからの最終警告を受けやっと現状を把握して手動運転に切り替えたものの、間に合わず……といった感じではないだろうか。

こうした過信・誤認による事故は後を絶たない。開発メーカーは、ハンドルを握っているかどうか重量やトルクを検知するシステムや、前方をしっかり注視しているか検知するドライバーモニタリングシステムを導入するなど対策を強化しているが、ハンドルにペットボトルをぶら下げて偽装するなど、悪意あるドライバーが後を絶たないのだ。

中国政府もこうした事態を問題視し、原則ドライバーが運転の全責任を負うADASに「自動運転」という用語を用いて宣伝することを禁止することや、ドライバーの挙動に対し警告を発するシステムを義務付けする新たな安全規則の導入を進めている。

中国人、ハンドルにペットボトルを挟み、「脱法的」手放し運転

■米国や日本の動向

広域レベル2を早期実現したテスラは誤認を導く?

こうした事態は中国だけの問題ではない。米国では早くから問題視されてきた。将来的な自動運転化を喧伝するテスラは、まさにオーナーが過信・誤認するような宣伝を長年続けてきた。

テスラ関連では、Autopilot作動中に居眠りする例が早くから報告されており、これに伴う死亡事故も複数件発生している。赤色灯を付けたパトカーに追跡されながら居眠りし続けたドライバーもいる。

重りをぶら下げるなどしてハンドルのセンサーをだます取り組みも中国より米国の方が先で、いかに走行中に運転席を離れるか……といったことに知恵を絞りだす頭のおかしいドライバーも存在する。

上位バージョンのFSD含め、白いトレーラートラックを認識できず突っ込んだ事故や、赤信号を認識せず交差点に突っ込んで衝突した事故、電車横断中の線路に突き進もうとした事故など、数々の案件が報告されている。

すべてではないものの、ドライバーがADASに依存せずしっかり注意を払って正しい利用方法を遵守していれば、防げた事故は相当数に上るものと思われる。

日本でもレベル2特有の死亡事故が発生

なお、Autopilotによる死亡事故は日本でも起きている。2018年、東名高速道路を走行中のテスラが、前方でバイク事故の対応を行っていたライダーに突っ込み、一人が死亡、二人がけがを負ったという。テスラのドライバーは強い眠気を感じたままAutopilotで走行し続けていたという。

2024年には、トヨタセーフティセンスを搭載したトヨタ車が対向車線にはみ出し、対向車の乳児が死亡する事故も発生している。加害側のドライバーは、ADASに運転を任せて着替えしていたとされている。

日本では以前、衝突被害軽減ブレーキが「自動ブレーキ」と喧伝され、誤認したディーラーが体験試乗会で事故を起こす例が複数確認されていた。このため、早期に自動運転と誤認させる表記を行わないよう指導する業界ルールが設けられるなど、危険防止に向けた意識は他国に比べ高いものと思われるが、それでも事故は起きてしまうのだ。

■【まとめ】誤用を防ぐシステム開発が急務

レベル2、レベル2+は今後右肩上がりで増加し、スタンダード化していくことはほぼ間違いない。それに伴い、過信・誤認による事故も世界で増加することが想定される。

ただ、それ以上にこれらのシステムによる事故防止や被害軽減効果は高い。事故を未然に防いだ数はカウントしようがないが、ADAS関連の事故件数をはるかに上回る事故を防止しているはずだ。

その能力や利用方法をしっかりと理解し、正しく活用すれば、道路交通に安全をもたらす有用な技術となるのだ。利便性・快適性も増す。

どれだけ啓発してもダメなドライバーは撲滅できない。車内センサーで間違った活用を未然に防ぐシステムの重要性が格段に増すことになりそうだ。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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