GM Cruise、ドバイで自動運転タクシーを「料金3割増」で展開へ

初の海外進出、現地当局とのプロジェクト



出典:GM Cruise公式サイト

アラブ首長国連邦(UAE)のドバイでも2023年12月から、完全無人の自動運転タクシーサービスがスタートする。アメリカ中国に続く動きで、「自動運転先進国」の仲間入りを果たすことになるのか、注目を集めそうだ。

2023年9月に開催された「Dubai World Congress for Self-Driving Transport(自動運転交通のためのドバイ世界会議)」において発表された。海外メディアの報道によると、10月からドバイのジュメイラ1区で5台の自動運転タクシーがテスト走行する。その後、12月には乗客を乗せて走る予定のようだ。


なおこの自動運転タクシーは、米GM傘下のCruiseと提携して運行される。後述するが、料金は普通のタクシーより30%ほど高いようだ。

■ドバイとCruiseのこれまでの関係

ドバイには「2030年までに移動手段の25%を自動運転による移動に変える」という計画がある。ドバイ道路交通局(RTA)とCruiseは、ドバイでの自動運転タクシーとライドヘイリングサービス運営に関する契約を2021年4月に締結した。ドバイで2023年から自動運転タクシーの運行を開始し、Cruiseは2029年までドバイの自動運転タクシーと配車サービスの市場を独占するという内容であった。

Cruiseの代表団は2022年2月にドバイを訪れ、インフラ状況や予測需要などを調査したほか、RTAや警察本部、電気・水道局、政府関係者とのキックオフミーティングも開催された。同年6月にはドライバーレスの自動運転サービス社会実装に向け、高精度な3次元マップを作成するため、ドバイ市当局がデジタルマッピングプロジェクトを始動させている。

出典:RTAプレスリリース
■乗車料金は一般のタクシーより30%アップ

当初の予定通り、2023年中に自動運転タクシーが始動することになる。テスト走行では、ドバイ運河とエティハド博物館の間の8キロのルートを走行するようだ。


なお商用化の際の乗車料金だが、RTAの交通システム担当ディレクターによると、通常のタクシーより30%ほど高くなる予定のようだ。これは、同地でのリムジンタクシーと同程度の水準だという。

ドバイでは、2030年までに4,000台の自動運転車の導入を計画している。それにより、交通渋滞の緩和と排出ガス削減、交通事故の減少を目指す。

■初の海外進出を果たすCruise

Cruiseは、米カリフォルニア州のサンフランシスコやロサンゼルス、アリゾナ州フェニックス、テキサス州オースティンでも自動運転タクシーサービスを始動させている。ドバイは、同社の自動運転タクシーの初の海外進出となる。

自動運転タクシーがドバイの市民にどう受け入れられるか、今後も注目していきたい。


記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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