ついに登場!自動運転バスの「見守り」の仕事、時給は1,400円

セネックが茨城県境町や羽田空港で募集



出典:境町公式サイト

自動運転移動サービスの提供が、一部自治体ですでに始まっている。また、改正道路交通法が2023年4月に施行され、レベル4の走行が解禁されたことにより、さらに実用化に向けて盛り上がりつつある。それに伴い、こうした自動運転移動サービス関連の求人も増えてきている。

その1つが、株式会社セネック(本社:茨城県境町/代表取締役社長:三浦義幸)が募集している自動運転の運行管理スタッフだ。同社は車両運行サービスや自動運転サービスといった事業を手掛けている企業だ。


■BOLDLYとタッグを組み運行管理を担当

セネックは、日本の自治体で初めて自動運転車を定常運行した茨城県の境町において、自動運転バスの運行管理を担当している。2022年11月に、本社機能を東京都新宿区から境町に移転した。この新社屋には、遠隔監視コントロールセンターやドローン離着陸テストセンターが設置されており、敷地内にはドローン自動配達システム実演センターも設けられている。

境町での自動運転バスの実用化を主導しているのは、ソフトバンク傘下のBOLDLYだ。そのプロジェクトに参加しているのが、セネックということになる。なおBOLDLYは羽田空港周辺や愛知県日進市での自動運転バス実装も手掛けており、セネックが運行管理を担当している。

また、BOLDLYが行う北海道上士幌町の自動運転バスの定常運行にも参画しており、セネックの境町の本社から遠隔監視を行っているという。

■実際の募集内容は?
運行管理や遠隔監視業務スタッフ

現在セネックが募集しているのは、自動運転の運行管理スタッフだ。茨城県境町での勤務になる。求人情報には「採用予定9名!開始予定日は11月1日」と記載されている。


業務内容は、「9人乗りハイエースワゴン」の運行管理や遠隔監視で、普通免許が必須だとしている。時給1,400円で、月収例は20万660円となっている。

▼運行管理社員|株式会社セネック – 境町
https://jp.indeed.com/cmp/%E6%A0%AA%E5%BC%8F%E4%BC%9A%E7%A4%BE%E3%82%BB%E3%83%8D%E3%83%83%E3%82%AF/jobs?jk=a678ce2122fde7b4

見守スタッフ・自動運転管理・電話オペレーター

また、同じく境町での求人が公開されている。募集職種は、見守スタッフ・自動運転管理・電話オペレーターとなっている。こちらには「入社祝い金5万円支給!未経験者OK!シニア活躍中!」などと書かれている。

▼見守スタッフ 自動運転管理 電話オペレーター|株式会社セネック – 境町
https://jp.indeed.com/cmp/%E6%A0%AA%E5%BC%8F%E4%BC%9A%E7%A4%BE%E3%82%BB%E3%83%8D%E3%83%83%E3%82%AF/jobs?jk=2cab3c61d88453c9


業務内容は自動運転車の運行管理で、自動運転車両のオペレーターや遠隔監視のオペレーターを担当するようだ。「車のサイズはワンボックス程で運転はしません!コントローラーの操作で管理します。しっかりとした研修があるので安心してください」との記載がある。

応募には、業務経験不要、路線・観光バス経験者や定年退職者も歓迎としている。普通免許または中型限定解除免許が必須で、中型限定解除免許は入社後に会社負担で取得することも可能なようだ。

月収は17万7,669円で、時給換算すると上記と同様1,400円になる。いずれも雇用形態は正社員となる。茨城県の最低賃金は、2023年10月から42円アップの953円に改正された。1,400円という時給は、かなり高額な部類に入ると言えるだろう。

■羽田空港周辺での募集も

セネックはまた、羽田空港周辺での自動運転車の運行管理スタッフも募集中だ。応募には中型限定解除もしくは大型免許が必要になる。月収は21万8,754円のようだ。「自動運転オペレーターの資格が取れるまでは月給21万8,746円」との記載がある。

この自動運転オペレーターについては、境町や羽田空港周辺で運行する仏Navya製の自動運転シャトル「NAVYA ARMA」を操作するためのNAVYA社認定オペレーター資格のことを指していると思われる。

▼自動運転管理|株式会社セネック – 大田区 羽田空港
https://jp.indeed.com/cmp/%E6%A0%AA%E5%BC%8F%E4%BC%9A%E7%A4%BE%E3%82%BB%E3%83%8D%E3%83%83%E3%82%AF/jobs?jk=cea27ef3d4b44a95

【参考】関連記事としては「NAVYA社の自動運転バス「ARMA」、誰でも操作できる?」も参照。

また過去には、2018年3月に行われた沖縄県与那国町でのAI(人工知能)運行バスの実証実験における期間社員の募集もあったようだ。

■今後少しずつ身近な職種に…

日本の地方では、公共交通の不足やバス運転手などの人材不足が深刻な課題となっており、自動運転車を導入する取り組みが盛んに行われている。自動運転車両のオペレーターや見守り担当者といった職種は、今後少しずつ身近になっていく。

【参考】関連記事としては「自動運転バスのARMA、BOLDLYがオペレーター110人育成」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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