自動運転バスのARMA、BOLDLYがオペレーター110人育成

累計走行便数や累計乗車人数は?



出典:BOLDLYプレスリリース(※クリックorタップすると拡大できます)

ソフトバンク子会社のBOLDLY株式会社(本社:東京都港区/代表取締役社長:佐治友基)はこのほど、自動運転バス「NAVYA ARMA」のオペレーターを累計110人育成したことを発表した。

世界25カ国で200台以上販売されているNAVYA ARMAのオペレーターは世界で326人いるが、そのうちの3割以上をBOLDLYが育成したことになるという。


■NAVYA ARMAのオペレータ育成方法

NAVYA ARMAを安全に運行するには、技能を持ったオペレーターが必要で、BOLDLYには仏Navya社のライセンスを取得したオペレーター育成のための講師が6人在籍している。同社はNavya社規定の講習をはじめ、BOLDLY独自のシニアオペレーター講習、OJTを実施している。

受講者は施設内運行が可能な3日間のコースを経て、単独で公道運行できる1カ月コースに進める。認定を受けた後も、半年に1度更新講習を実施し、技能や安全意識を持続させているようだ。

オペレーターの年齢は、20〜40代が8割以上を占めている。また、従来の運転手における女性比率2.2%と比べ、BOLDLYが育成したオペレーターの女性比率は9.1%と高くなっている。8割近くのオペレーターがバス事業外出身だという。

出典:BOLDLYプレスリリース(※クリックorタップすると拡大できます)
■これまで2万便以上走行、6万人以上が乗車

BOLDLYは国内各地の実証事業はもちろん、茨城県境町や羽田空港隣接の複合施設「HANEDA INNOVATION CITY(HICity)」において、定常運行も手がけている。BOLDLYはどちらも運行主体としてではなく、導入支援やサポートを担っている。


茨城県境町はBOLDLYと技術商社のマクニカの支援のもと、2020年11月から日本の自治体で初めて自動運転バスの定常運行を始めた。無償運行を実施しているが、ふるさと納税と補助金を活用することで町の持ち出しは0円だという。境町で運行中の自動運転バスの2022年8月24日時点での累計乗車人数は1万718人、累計走行便数は9,846便となっている。


一方、HICityの開発を進める羽田みらい開発は、BOLDLYや鹿島建設、マクニカ、日本交通などの協力のもと、HICityにおいてNAVYA ARMAの定常運行を2020年9月からスタートしている。HICityで運行中の自動運転バスの2022年8月24日時点での累計乗車人数は5万1,262人、累計走行便数は1万1,745便だ。

■今後もBOLDLYの活躍に期待

自動運転バスが実証から実用へとフェーズが移行するなか、自動運転サービス導入に向けた知見を持つ企業として、今後もBOLDLYの活躍が期待できそうだ。

【参考】関連記事としては「日本の自動運転大手BOLDLYが、警察庁の委員会で要望したこと」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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