米カリフォルニア州の車両管理局(DMV)は2021年12月14日までに、過去初めて自動運転の実験許可を停止する措置を発表した。
停止したのは、中国企業Pony.aiの「無人テスト(Driverless Testing)」の許可。セーフティドライバー(安全要員)を乗せての実験は今後も可能だが、セーフティドライバーが乗らない形での実験は当面できないことになった。
Pony.aiは10月下旬に、カリフォルニア州内を自動運転モードで走行中に、中央分離帯と信号機に衝突する単独事故を起こしている。負傷者は出ていないが、DMVはこの事故を重く受け止め、今回の許可停止に踏み切ったものとみられる。
■深刻化する米中対立の状況も影響?
米メディアの報道によれば、自動運転モードでの走行試験中に事故が起きたのは、ほかの企業を含めれば今回が初めてというわけではなく、Pony.aiに対する当局の対応が厳しすぎるのでは、と指摘する声もあるようだ。
最近は台湾や人権問題をめぐり、米中間での対立が深まっており、こうした動きが中国企業であるPony.aiに対する当局の厳しい態度につながった可能性も否めない。ちなみにPony.aiの出資企業には日本のトヨタ自動車が名を連ねている。
■「無人テスト」の許可を得ている企業は?
ちなみにカリフォルニア州で「無人テスト」の許可を得ている企業は、これまではPony.aiを含めて8社あった。具体的にはPony.ai以外では以下の企業だ。
- APOLLO AUTONOMOUS DRIVING USA LLC
- AUTOX TECHNOLOGIES INC
- CRUISE LLC
- NURO, INC
- WAYMO LLC
- WERIDE CORP
- ZOOX, INC
許可を取得している企業は以下のページから確認できる。
▼Autonomous Vehicle Testing Permit Holders – California DMV
https://www.dmv.ca.gov/portal/vehicle-industry-services/autonomous-vehicles/autonomous-vehicle-testing-permit-holders/
【参考】関連記事としては「自動運転開発の中国Pony.ai、米国市場での上場計画を凍結か」も参照。