「陸」のプロジェクトよりも、「空」のプロジェクトに魅力を感じたのだろうか。米Appleの自動運転開発プロジェクト部門にいた3人の幹部エンジニアが同社を離れ、空飛ぶクルマを開発する新興企業に移籍したことが話題になっている。
メディアで常に話題になっているAppleの自動運転プロジェクト。そのプロジェクトで重要な役割を担うレーダーシステムのチーフエンジニアだったEric Rogers氏は、空飛ぶクルマを開発する米スタートアップJoby Aviationに移籍するため、Appleを離れた。
また、バッテリーシステム部門のエンジニアリングマネージャーだったAlex Clarabut氏とハードウェアのエンジニアリングマネージャーだったStephen Spiteri氏も、米Archer Aviationに移籍したという。Archer AviationもJobyと同様、空飛ぶクルマを開発する企業だ。
この数週間でAppleは、自動運転関連の極めて重要な職にある3人のエンジニアを一気に失ったことになる。
▼Joby Aviation公式サイト
https://www.jobyaviation.com/
▼Archer Aviation公式サイト
https://www.archer.com/
■人材獲得「自動運転業界 vs 空飛ぶクルマ業界」
優秀な人材の奪い合いは、自動運転業界ではこれまでも日常茶飯事に起きている。Apple自身も、米EV(電気自動車)大手テスラで自動運転開発に携わっていたエンジニアを2021年11月に引き抜いている。
しかし、自動運転業界のエンジニアが空飛ぶクルマのベンチャーに引き抜かれるケースは、決して多くはなかった。
自動運転車も空飛ぶクルマも、走行・飛行ルートの設定やセンシングの技術など、同じような要素技術を必要とする。空飛ぶクルマの開発が盛んになるにつれ、同様のケースが今後増えてくるかもしれない。
要は、自動運転業界の企業同士ではなく、自動運転業界と空飛ぶクルマ業界でエンジニアを奪い合う構図が、今後鮮明になるかもしれない。
【参考】関連記事としては「Apple、自動車ビジネスを本格展開へ iOS活用、自動運転車開発も」も参照。