世界880万台で導入へ!韓国StradVisionの自動運転向け物体認識ソフト

情報セキュリティの国際認証取得でさらに躍進か



出典:StradVisionプレスリリース

ADAS(先進運転支援システム)や自動運転車両向けの物体認識AIソフトウェアを提供する韓国のStradVisionは2021年2月2日までに、国際的な情報セキュリティ認証「ISO 27001:2013(ISMS)」を取得したことを発表した。

StradVisionが取得したISO27001:2013は、情報セキュリティマネジメントシステムの運用・監視・維持・継続的改善などを義務付ける情報セキュリティ規格の1つで、顧客やパートナー企業の機密情報や知的財産の秘密性・安全性を管理する能力の証明になる。


同社は自動運転車両向けの物体認識AIソフトウェアとして「SVNet」を提供しており、今回の情報セキュリティ認証の取得で、同製品の物体認識AIソフトウェアとしての信頼性がより高まりそうだ。

StradVisionが提供するSVNetは、カメラ映像からディープラーニングによって物体を検知することができる。すでにドイツ中国などの市場において8社のパートナーと提携しており、今後は世界で880万台の量産車に導入される予定だという。

■韓国企業における自動運転の取り組みは?

今回は韓国企業のニュースを取り上げたが、自動運転領域で韓国は、欧米や中国、日本に比べると決して目立つ存在とは言えない。ただ、StradVisionのようにこの領域で事業展開を行う韓国企業はもちろん存在している。

自動運転領域において韓国企業で先頭を走るのは、自動車メーカーの現代(ヒュンダイ)自動車だ。2021年に自動運転レベル3(条件付運転自動化)の車両の販売を計画しているほか、米Aptivや中国のPony.aiらと提携し、レベル4の移動サービスの実証も重ねている。


韓国のスタートアップRideFluxは、多数のカメラと近接センサーを搭載した自動運転EV(電気自動車)を使い、韓国において初めて、公道での定期運行を済州島で実施した。セーフティドライバーが乗っての取り組みだが、5年以内に運転手なしでの運行を目指している。

■国も後押し、自動運転開発に1,000億円を投入

韓国政府も成長への新たな原動力として、自動運転化の推進に力を入れている。2019年には、2024年までに5,500キロの全高速道路で完全自動運転を実現するためのインフラ整備を行うと発表し、2020年には自動運転開発に1,000億円規模を投入すると明らかにした。

海外における自動運転と言えば、欧米や中国、そしてイスラエルなどに目がいきがちだが、「韓国×自動運転」にも注目だ。

【参考】関連記事としては「レベル4技術、自動運転タクシー会社に提供へ 現代とAptivの合弁Motional」も参照。


記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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