米アマゾンのクラウドサービス「アマゾン・ウェブ・サービス」(AWS)と日本のKDDI株式会社(本社:東京都千代田区/代表取締役社長:髙橋誠)が次世代通信システム「5G」の領域でタッグを組んだ。KDDIが2019年12月6日までに報道発表をおこなった。
目的は次世代通信システム「5G」を活用した低遅延サービスを実現し、エッジコンピューティング環境を構築することだ。こうした環境の整備に向け、AWSのコンピューティング・ストレージサービス「AWS Wavelength」を活用するとしており、KDDIの5Gネットワーク内にこのサービスを配置する計画だとしている。
エッジコンピューティングとは簡単に説明するなら、クラウドなど遠隔地にあるサーバーとの通信を介してデータの処理を行うのではなく、近くにあるサーバーやストレージ上で複雑な処理を実行する方法だ。
KDDIは報道発表で「5G時代のエッジコンピューティングでは、高精細なXR、VPS、スマートファクトリー、建機の遠隔操縦や自動運転などへの活用が期待されています」とした上で、「5GネットワークとAWS Wavelengthを組み合わせることで、これらのサービスの実現に向けた取り組みを加速していきます」としている。
■クラウドサービス、自動運転領域で火花
自動運転とエッジコンピューティング、自動運転と5G、そして自動運転とクラウドサービスも切っても切り離せない関係だ。
クラウドサービスの世界大手としてはアマゾンのAWSのほか、マイクロソフトの「Azure(アジュール)」、アルファベットの「Google Cloud」などが挙げられ、今後は自動運転領域で激しいシェア争いが表面化する可能性が高い。
ちなみに自動車領域に限らない同サービスのサービスシェアではAWSが首位となっているが、マイクロソフトのAzureも自動運転領域では負けておらず、トヨタやBMW、ボルボカーズなどの自動車メーカーとの連携した取り組みに注目が集まる。
自動運転領域は市場規模が将来巨大なものになるだけに、アマゾンもマイクロソフトも必死だ。
【参考】関連記事としては「Microsoft(マイクロソフト)の自動運転戦略と取り組みまとめ Azureシェア拡大中」も参照。