Amazon、「自動車メーカー」に業態変更?ロボタクシー量産へ

傘下Zooxが専用工場を開設



米Amazon傘下の自動運転開発企業Zoox(ズークス)が、米国初となる専用設計のロボタクシー向け量産工場を開設したことをこのほど発表した。新工場は22万平方フィート(2万平方メートル)あり、現在設置されているラインをフル稼働させた場合、年間1万台以上のロボタクシーを組み立てる能力を持つことになる。


Zooxは専用設計のロボタクシーを自社で保有、運用、組み立てを行っており、プロセス全体を一貫して管理できると同時に、事業拡大や市場需要に応じて生産体制を柔軟に調整することが可能だ。ロボタクシーの設計が進化するにつれて、この施設の独自のレイアウトや設備は、将来的に変更や新機能にも対応できるようになっているという。

これまでロボタクシー専用車の開発などを行ってきたZoox。生産台数はトヨタ日産に比べて小さいものの、新工場立ち上げで自動車メーカー化することで、競合的存在になると言えそうだ。

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■年間1万台以上の製造が可能に

出典:Amazonプレスリリース

Zooxはカリフォルニア州中央部にあるヘイワードに新たにロボタクシーの量産工場を開設した。フォスターシティの本社の近くに位置する。広さ22万平方フィートは、アメリカンフットボールのフィールド約3.5面分に相当する。


この新工場はサンフランシスコ・ベイエリアで2つ目の車両生産拠点となる。もう1つの組立工場は同州フリーモントにあり、現在は同社の改造テスト車両やセンサーポッド構成のための専用施設へと発展してきた。

年間で約1,000万台を生産するトヨタなどに比較するとかなり少ない台数ではあるが、小規模の自動車メーカーと呼べるような規模になる。なお生産台数は、商用サービスの需要に応じて拡大・調整していく予定のようだ。またこの工場設立により、ベイエリアで数百人規模の雇用を生み出すことが期待されているという。

■テストコースも備える新工場

新工場は、ロボタクシーの設計やソフトウェア・ハードウェアの統合、ロボタクシーの組立、部品の保管、出荷・受け取り、配備前に必要な最終工程テストなど、さまざまな業務に活用される。

ただしZooxは主要部品を事前に組み立ててもらうためにサプライヤーと提携しており、製造の全てを自社内で管理しているわけではないという。この戦略により最終組立工程を効率化し、大規模な工業オペレーションによる環境負荷を軽減している。


専用設計の完全自動運転ロボタクシーは、公道走行が可能だと認められるまでに、複数の工程と厳しいテストを受ける。Zooxではロボタクシーの組み立てにモジュール方式を採用している。これは対称的な4分割構造(クアドラント)という車両設計により可能になった。

Zooxは製造・組立のプロセスについても説明している。まずは自動搬送システムが車両を各作業ステーションへと移動させ、車内装備とセンサーの取り付けなどを行う。ロボタクシーが生産ラインを出た後に、EOL(エンドオブライン)テストを実施する。このテストでは、公道走行に適合していると判断されるまでに複数の工程を経ることになる。ロボタクシーに擬似的な豪雨を降らせ、悪天候時でも漏水がないかなども確認する。

最終的に屋外のテストコースで、ライドヘイリング(配車)や自動運転走行、乗降の動作が適切に機能するかを検証する。

出典:Amazonプレスリリース

■事業拡大に期待感

ネバダ州ラスベガスで自動運転タクシー(ロボタクシー)をテスト走行させているZooxだが、間もなくサンフランシスコでもサービスを開始する予定になっている。ロボタクシーの量産化により事業をより拡大していくことが期待される。

▼Inside the Zoox robotaxi serial production facility
https://zoox.com/journal/zoox-robotaxi-serial-production-facility/

【参考】関連記事としては「Amazonの自動運転車が事故!再び「脆弱性」発見?」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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