完全自動運転モビリティを使ったモバイルコンビニのプロジェクト「Robomart Smart Shop」が、米カリフォルニア州でいよいよ本格的に動き出すようだ。実験的に商用展開を開始するのは、同州に拠点を置くRobomartだ。
Robomartのコンセプトは2018年のラスベガスで開催された技術見本市「CES」で初めて明かされた。米メディアの報道によると、同社はすでにユニリーバやマースなど100社以上の小売系業者とすでに契約を結んでいるという。
CESでの発表から6年の歳月を経て、いよいよ同社のプロジェクトが本格的に動き出す。ちなみに自動運転コンビニは日本のトヨタもその発想を持っていたが、トヨタより先に事業として展開することになりそうだ。
■中国PIX Moving社と提携
Robomart社は、今回のRobomart Smart Shopプロジェクトの基盤となるカスタム・モビリティ車両を開発するために、中国の自動運転EV開発のスタートアップPIX Moving社と提携した。
スケートボード型のEシャーシやMaaS用ロボット、レベル4自動運転の小型バス「RoboBus」などで実績があるPIX Moving。同社とパートナー契約を結ぶことで、モバイルコンビニ向けの車両製造を加速させたい考えのようだ。
■オンデマンド型の無人店舗
Robomartは、いわゆるオンデマンド型の無人店舗だ。顧客となるユーザーがスマホの専用アプリでRobomartを呼ぶと、利用者の家の前までやってくる。移動販売車を呼ぶと自動運転で自宅にやってくるイメージだ。
ユーザーは店舗に陳列された食料品などの品物を手に取り、自由に買い物ができる。欲しい商品をあらかじめ注文しておくことも可能なようだ。支払いはもちろん、スマホアプリで完結できる。
無人の自律型移動販売車の最初の導入は、Robomart社の本拠地にあるカリフォルニア州で行われる。
■日本勢より先に商用事業を展開へ
いわゆる「自動運転コンビニ」に関しては、その発想自体はこれまでにも度々各社がイメージを発表している。例えばトヨタは2023年の技術説明会の中で、MaaS専用自動運転車「e-palette」の移動コンビニ仕様車を発表している。
【参考】関連記事としては「トヨタ、コンビニ事業参入か 自動運転シャトル活用を示唆」も参照。
京セラコミュニケーションシステムは2022年7月、無人自動走行ロボットが公園やマンションなどを周回して移動販売を行う実証実験を行った。この取り組みは国内初として注目を集めた。
【参考】関連記事としては「京セラ子会社が「ミニ無人コンビニ」!自動運転技術を活用」も参照。
中国でも類似の取り組みがあるが、広範囲かつ通年サービスとして自動運転コンビニの取り組みが展開されていくのは、もう少し先のことだと考えられていた。アメリカのRobomartがこの分野のリーディング企業となるのか、注目だ。
【参考】関連記事としては「無人コンビニ型モビリティ、どの企業がフロンティアに?」も参照。