京セラ子会社が「ミニ無人コンビニ」!自動運転技術を活用

公道走行で無人移動販売、国内初の実証



出典:京セラコミュニケーションシステム・プレスリリース

京セラ子会社の京セラコミュニケーションシステム株式会社(本社:京都府京都市/代表取締役社長:黒瀬善仁)が、2022年7月27日から千葉市美浜区の幕張新都心地区で、無人自動運転ロボットによる移動販売サービスの実証実験を開始した。

協力先として、千葉市とイオンリテール社、損保保険ジャパンが参加する。


■「ミニ無人コンビニ」が登場!?

京セラコミュニケーションシステムはすでに、2021年8~9月の北海道石狩市や2022年3月の幕張新都心地区において、無人自動運転ロボットによる「配送サービス」の実証実験を実施している。

そんな同社がいよいよ「移動販売サービス」の実証実験に乗り出した格好だ。実際の規模は店舗型のコンビニよりはもちろん小さいが、「ミニ無人コンビニ」と呼んでも良さそうな実証実験と言える。

今回の実証では、温冷蔵機能を備えた無人自動運転ロボットが商品を運び、公園やマンションを周回して移動販売を行う。夏の暑い時期に冷たい飲み物やゼリーなど、イオンスタイル幕張ベイパークで積み込んだ食品を公園やマンション、高齢者向け住宅を巡回しながら販売する。

なお、公道を走行する無人自動走行ロボットを活用した「移動販売サービス」の取り組みは国内初だという。


出典:京セラコミュニケーションシステム・プレスリリース
■購入の流れは?タッチパネルを使う

購入の流れは以下の通りだ。まずサービス利用者が車体に搭載されたタッチパネルで購入する品物と個数を選択し、スマートフォンを使って電子マネーで決済する。ロッカーが解錠されるので購入した品物を取り出す。

実証では、長さ2.5メートル以下×幅1.3メートル以下×高さ2.0メートル以下という、ミニカーに準じた大きさのロボットが使用される。最高時速15キロで無人走行し、走行状況は常に遠隔で監視され、自動回避できない場合には遠隔での操作に切り替えられるという。商品積載部は、保冷と保温の切り替えができる。

実施期間は2022年7月27日〜8月10日の午前10時〜午後6時の予定で、期間中土日を含めて週5日、千葉市美浜区若葉3丁目の一部区画を走行する予定だ。この実証は「幕張新都心モビリティコンソーシアム」を運営する千葉市の支援を受けて実施されるという。

実証の協力先である千葉市は、実証企画の検討支援として課題やニーズを提供する。イオンリテールは販売商品を選定し提供する。損保保険ジャパンは自動運転リスクアセスメントを実施し、専用保険を提供するという。


■無人移動コンビニは「交流」の場にも

無人移動コンビニが実現すれば、コンビニへのアクセスが悪い場所に住む人でも気軽に買い物ができるようになる。また配送サービスと異なるのは、そこに人が集まることからコミュニケーションのきっかけにもなるということだ。

誰もが安心・快適に住み続けられるまちづくりを支援することを目指し、無人自動走行ロボットの活用を推進する京セラコミュニケーションシステムの動向に今後も注目していきたい。

【参考】関連記事としては「あれっ、ハンドルがない!京セラの「Moeye」は自動運転仕様」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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