新たな自動運転銘柄「LDTC」がナスダック上場 カナダ企業のLeddarTech

車載ソフトウェアやセンサーフュージョンに強み



出典:LeddarTech公式サイト

自動運転向けの車載ソフトウェア開発やセンサーフュージョン開発を手掛けるカナダのLeddarTech(レダーテック)が米ナスダック市場に上場し、ティッカーシンボル「LDTC」で2023年12月22日から取引を開始した。

同社はティア1サプライヤー向けのLiDARプラットフォームをはじめ、ソリッドステート式LiDARなど各種ソリューションを展開し、販売拠点を米国、ヨーロッパ、香港、中国と拡大中の注目企業だ。


2020年頃から自動運転関連企業の上場が相次いでいるが、また1つ関連銘柄が増えることになる。

■センサーフュージョンなど手掛ける

2007年設立のLeddarTechは、カナダのケベックシティに本社を置き、モントリオールやトロント、イスラエルのテルアビブにも研究開発拠点を持つ。同社はADAS(先進運転支援システム)や自動運転を実現する、包括的なAI(人工知能)ベースのセンサーフュージョンや知覚ソフトウェアソリューションの開発を行っている。

LeddarTechの技術は、ティア1・2サプライヤーやOEMなどに採用されている。なお、ADASや自動運転関連で150以上の特許を申請し、そのうち80件がすでに取得済みだという。

同社は2024年1月に米ラスベガスで開催される技術見本市「CES 2024」に出展し、自動車用センサーフュージョンと知覚ソフトウェアプラットフォーム「LeddarVision」を発表する予定だ。この製品は、英国で「ADAS System of the Year Award」を受賞している。


出典:Trading View
■この数年で上場した自動運転関連企業

2020年にLiDAR開発の米Velodyne Lidarや米Luminar Technologiesが米ナスダック市場に上場した(ただしその後Velodyne Lidarは、同じくLiDAR開発企業の米Ousterと対等合併し、社名としてはOusterが残っている)。

2021年11月には、トヨタと提携している自動運転開発企業の米Aurora Innovationが米ナスダックに上場した。米インテル傘下で自動運転の技術開発を行っているイスラエル企業Mobileyeは、2022年6月に米ナスダック市場に上場した。同社の上場は、2022年の米国上場案件で最大規模となった。

2023年には、自動配送ロボットを開発する米Serve Roboticsが米国市場にSPAC(特別買収目的会社)上場することを8月に発表している。その後、上場のニュースは聞こえてこないが、近く上場するとみられている。

【参考】関連記事としては「自動運転、米国株・日本株の銘柄一覧(2023年最新版)」も参照。


■2024年の注目は中国企業?

中国企業で、上場計画をしている企業が多い。

中国の自動運転ベンチャーWeRide(文遠知行)は米国市場に上場予定で、2023年9月にIPOの認可を取得している。同じく中国の自動運転システム開発Momentaも、米国または香港市場での上場を検討しているようだ。LiDAR開発を手掛る中国RoboSenseは、香港株式市場へ上場申請書を提出済みだ。

自動運転開発スタートアップの米May Mobilityは、2023年11月にシリーズDの資金調達を行ったことを発表した。一般的に、シリーズDラウンドはイグジット(IPOやM&A)が視野に入った段階であり、同社の上場に向けた機運が高まってきていると言える。

日本企業では、東京大学発の物流ロボティクスベンチャーであるRENATUS ROBOTICSが、米ナスダック市場への上場に向け、米国での事業展開や資金調達を加速させることを明らかにしている。

2024年は自動運転関連企業の上場ラッシュが起きるか、注目だ。

▼LeddarTech公式サイト
https://leddartech.com/

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




関連記事