韓国の自動運転トラックベンチャーであるMars Autoの存在感が徐々に高まっている。2017年10月に創業した企業で、2023年に自動運転トラックを商用化する計画を立てている。
同社が自動運転トラックのテスト走行に初めて成功したのは、会社設立から2年後のことだ。トラックにカメラと小型コンピュータを搭載させ、ソウルと釜山の間の高速道路を5時間半で走行したという。
このときの試験走行ではドライバーの介入がなかったとされており、この段階で自動運転レベル3〜4の技術を実現できていたとみられる。
今後は2022年下半期にセミ大型トラック10台を使った実証実験を行う予定で、この実証実験を成功させて2023年の商用化を実現する方向性のようだ。
■韓国科学技術院出身のパク・イルスCEO
Mars AutoのCEO(最高経営責任者)であるパク・イルス氏は、ロイター通信の「アジアで最も革新的な大学」で1位に輝くなどした韓国科学技術院(KAIST)の卒業生だ。
韓国科学技術院ではコンピューターサイエンスを学び、卒業後は機械学習関連のアプリの開発に携わった経歴を持つ。韓国の地元メディアの取材に対し、「自動運転トラックは燃費も向上させ、トラックの利用効率も高める」と、開発に力を入れている理由を語っている。
自動運転トラックの取り組みは、アメリカや中国で特に進んでいる印象だが、アジア発の自動運転トラック企業としてMars Autoがどこまで技術力を高め、スピード感を持って事業拡大を果たしていけるか、引き続き注目したい。
【参考】関連記事としては「自動運転トラックの開発企業・メーカー一覧(2022年最新版)」も参照。