青梅・奥多摩の観光型MaaS、スマホで計画・移動・食事・体験を網羅

実証実験第2弾、2022年6月20日まで実施



出典:京王電鉄プレスリリース

京王電鉄と京王エージェンシーはこのほど、青梅市内・奥多摩町内で観光型MaaS「TAMa-GO(たま・ごー)青梅・奥多摩」を2022年4月27日〜6月20日に実施すると発表した。実証によって西多摩地域における観光客の利便性向上を図るという。

今回の実証は、東京都および公益財団法人東京観光財団委託の「西多摩地域観光型MaaS導入支援プロジェクト実証実験業務」の一環で、2021年11月に実施した青梅エリアでの実証の第2弾となる。特設サイトの開設だけでなくアプリも提供される。


■「計画」「決済」「移動」「体験」をアプリで網羅

観光型MaaSとして「計画」「移動」「食事」「体験」など、観光における一連のサービスをスマホアプリを通じて利用可能となっている。サービスの概要として紹介されているのは以下の5つだ。

  • エリア内の観光情報や行程作成機能等の提供
  • Webチケットの発売
  • デジタルスタンプラリーの開催
  • デマンド交通の運行
  • 経路検索機能の提供
エリア内の観光情報や行程作成機能等の提供

1つ目は「エリア内の観光情報や行程作成機能等の提供」だ。青梅・奥多摩エリアでおすすめのスポットやモデルコースの数を3件から6件に増やして発信する。規定のモデルコースをもとに、顧客自身でカスタマイズして手軽にオリジナルのコースを作成できる機能を持つ。

Webチケットの発売

2つ目は「Webチケットの発売」だ。非接触かつキャッシュレスでお得なWebチケットが事前に購入できる。第2弾では新たに奥多摩町内の指定区間のバスが1日乗り放題となる「奥多摩おでかけパス」が販売される。

「グルメ&お土産チケット」「ミュージアムパス」は対象の店舗や施設が拡大した。第1弾に引き続き、第2弾でも「御岳山ケーブルカー往復乗車券」「青梅周遊パス(バス1日券)」「青梅周遊パスプラス(バス2日券+御岳山ケーブルカー往復乗車券)」が販売される。


デジタルスタンプラリーの開催

3つ目は「デジタルスタンプラリーの開催」だ。観光施設25カ所のうち3カ所以上のスタンプを集めると、景品がプレゼントされる。

出典:京王電鉄プレスリリース
デマンド交通の運行

4つ目は事前予約制の「デマンド交通の運行」だ。観光シーズンに塩船観音エリアや御岳・吉野梅郷エリアでデマンド輸送サービスを展開する。「青梅周遊パス」「青梅周遊パスプラス」を購入するとスマホ上で事前に予約できる。

経路検索機能の提供

5つ目は「経路検索機能の提供」だ。鉄道やバス、タクシーなどの交通手段をまとめて検索できる。鉄道やバスの最新運行状況が反映されたリアルタイム経路検索機能が提供される。

■「無くてはならないサービス」を盛り込む重要性

今回の取り組みだけに言えたことではないが、MaaSサービスでは最終的にはユーザーのニーズをくみとって「絶対に無くてはならないサービス」を落とさずに盛り込むのが重要だ。


例えば、よく使われている公共交通機関に関しては予約できない、といったことがないようにすべきだ。それには企業同士の連携も欠かせない。

TAMa-GO青梅・奥多摩の取り組みをユーザーがどう受け止めるか、関心が集まる。

【参考】関連記事としては「MaaS解説(2022年最新版)」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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