米GM傘下CruiseのKyle Vogt最高経営責任者(CEO)は2022年3月13日までに、自動運転タクシーの車両数を2030年までに100万台まで増やす目標を明らかにした。米モルガン・スタンレー主催のカンファレンスで語った。
■Vogt氏「エリアの拡大ははるかに楽」
Cruiseは2022年2月に無料の自動運転タクシーサービスを米サンフランシスコで開始させたばかりだが、すでに米国内のほかの都市へのサービス拡大の準備を進めているようだ。ちなみに国外では、ドバイで自動運転タクシーサービスを2023年から開始することがすでに決まっている。
Vogt氏は、同社としては初となるサンフランシスコでのサービス開始に比べると、今後のサービスエリアの拡大ははるかに楽なものになると、自信を示している。都市部以外での展開も模索していくという。
また、今後しばらくは「シボレー・ボルトEV」をベースにした車両での展開となるが、2023年に自動運転EV(電気自動車)シャトル「Origin」を発売したあとは、Originを使ったサービス展開も当然進めていくようだ。
【参考】関連記事としては「準備着々!自動運転の「Cruiseタクシー」、ドバイで2023年から運行」も参照。
■「100万台」という数字でテスラとの類似
ちなみにCruiseのVogt氏が掲げた「100万台」という数字だが、米EV大手テスラのCEOであるイーロン・マスク氏も過去に「100万台」という数字を同様に掲げていた点が興味深い。
2019年4月、マスク氏はテスラの技術説明会において、2020年中に100万台以上の自動運転タクシーを稼働させる計画を明らかにした。
【参考】関連記事としては「タイムリミット間近!テスラの「自動運転タクシー100万台」宣言」も参照。
テスラの自動運転タクシーは、顧客がリースしたテスラ車両を活用し、顧客が乗っていない時間帯を自動運転タクシーとして稼働させ、稼いだ運賃の7割ほどを顧客が受け取るというものだった。
当時はGoogle系Waymoが自動運転タクシーを2018年12月に商用サービスとしてローンチしてから半年も経っていない時期で、100万台という数字はWaymoを意識したものだと考えられている。
しかし、いずれにしてもテスラはまだ自動運転タクシーの商用展開を実現できていない。
■目標達成に向けたCruiseのスピード感に注目
無料ではあるものの、待望の自動運転タクシーサービスを2月に米サンフランシスコで開始させたCruise。今後有料化を実現し、「100万台」という目標に向けてどれほどのスピード感で事業を拡大していけるのか注目だ。
▼Cruise公式サイト
https://www.getcruise.com/
【参考】関連記事としては「Waymoから3年2カ月遅れ、GM Cruiseが自動運転タクシーの展開スタート」も参照。