クアトロはイタリア語で「4つ」という意味だ。「クアトロフォルマッジ」というピザでは、4種類のチーズが使われている。アウディは自社開発した「4WD(四輪駆動)システム」のことをクアトロと呼んだ。
そんなクアトロという言葉が、大阪万博にぴったりな言葉となりそうだ。モビリティ分野における4つのイノベーションが同時に披露される場となる可能性が高いからだ。
大阪万博で披露される可能性が高そうな「クアトロイノベーション」は、自動運転、空飛ぶ車、MaaS、電動キックボード。万博に向け、徐々に実証実験もヒートアップしていくことになりそうだ。
■自動運転レベル4、2022年3月ごろに実証実験
このうち「自動運転」に関しては、2022年3月ごろにある実証実験が行われる。「自動運転レベル4」の技術水準で展開する次世代都市交通システムの実証実験だ。万博の来場者の移動手段として自動運転車を活用することを想定して行われる。
実証実験に取り組むのは、大阪市高速電気軌道(Osaka Metro)、あいおいニッセイ同和損害保険、NTTドコモ、大林組、関西電力、ダイヘン、凸版印刷、日本信号、パナソニック、BOLDLY。2022年3月ごろに1回目の実証を行い、2022年度内に2回目を行う予定だという。
実証実験では、万博会場を想定した1周約400mのテストコースで自動運転車を複数台を走行させる。走行レベルは「レベル4」。レベル4は特定エリア内での完全自動運転と定義され、緊急時もセーフティドライバーに頼らなくていい技術水準を指す。
実証実験では、ソフトバンク子会社のBOLDLYが自動運転車両を提供する。
【参考】関連記事としては「自動運転レベルとは?定義や呼称、市販車の車種は?できることは?」を参照。
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■空飛ぶクルマの導入へSkyDriveなどが実証実験
万博で「空飛ぶクルマ」を活用するアイデアも、すでに動き出している。2021年10月には大阪市の湾岸部で、空飛ぶクルマを開発するSkyDriveなどが実証実験を行った。ドローンを空飛ぶクルマに見立て、海風がどのように飛行に影響するかなどデータを集めた。
大阪府・大阪市は、空飛ぶクルマを万博会場と空港を結ぶ移動手段にしようと考えており、吉村洋文府知事も導入に前向きな姿勢を示している。全日本空輸(ANA)もエアタクシーを提供する計画を立てているようだ。
【参考】関連記事としては「大阪の吉村知事「1日も早く」!空飛ぶクルマ実現へ、SkyDriveとタッグ」も参照。
大阪の吉村知事「1日も早く」!空飛ぶクルマ実現へ、SkyDriveとタッグ https://t.co/Qqsxz5mxLX @jidountenlab #大阪 #空飛ぶクルマ #SkyDrive
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■万博がモビリティ分野の「ショーケース」に
このほか、さまざまな交通手段を一元化する「MaaS」のサービスや、公道走行の規制緩和に向けた動きが加速する「電動キックボード」に関する取り組みも、2025年の万博に向けて加速していきそうだ。
ちなみに東京オリンピック・パラリンピックでは、トヨタの自動運転EV(電気自動車)「e-Palette」が選手村に導入され、世界的に注目を集めた。大阪万博も日本のモビリティ分野の取り組みを世界に発信するショーケースになりそうだ。
【参考】関連記事としては「「空飛ぶクルマは資源の浪費」と語る記者、吉村知事の回答は?」も参照。