驚異的伸び!LiDAR企業Innoviz、3年で売上100倍へ 自動運転の目を開発

2018年はわずか6.2万ドル(約710万円)



InnovizTechnologiesの創業メンバー。中央がCEOのOmer David Keilaf氏=出典:InnovizTechnologies公式サイト

自動運転車向けセンサーとしてLiDARを開発するイスラエル企業のInnoviz Technologiesが、売上高を大きく伸ばしている。

2018年の年間売上高はわずか6万2,000ドル(約710万円)に過ぎなかったが、2021年は通期で620万ドル(約7億1,000万円)を超える可能性が出てきている。もし620万ドルを超えれば、3年で売上高を100倍規模に伸ばす計算となる。


日本の民間調査会社である矢野経済研究所は、LiDARの世界市場が2017年から2030年にかけて約25億円から約4,959億円へと約200倍に拡大すると予測している。今後もさらに拡大余地があるLiDAR市場で、Innovizは一層売上高を伸ばしていくのだろうか。

■2020年は543万6,000ドルの売上高を計上

2021年に米国市場で上場したInnoviz(イノヴィズ)。売上高は、2018年が6万2,000ドル、2019年が157万5,000ドル、2020年が543万6,000ドルというペースで増えてきた。

2021年は1〜3月に72万8,000ドル、4〜6月に100万8,000ドル、7〜9月に207万6,000ドルの売上があり、第4四半期の10〜12月に240万ドル売り上げれば、2018年と比べ売上高が100倍以上になる計算になる。


2021年に入ってからの売上の伸びを考えれば、決して3カ月で240万ドルという売上高はInnovizにとっては決して難しい数字とは言えない。

■2016年創業、車載向け「InnovizOne」などを開発

Innovizは2016年に創業した企業だ。イスラエル国防軍(IDF)のエリート技術部門の元将校たちが設立した企業として知られている。日本からは「SoftBank Ventures Asia」が投資パートナーに名を連ねている。

自社開発する車載向けLiDARシステム「InnovizOne」に関しては、BMWの自動運転車プログラムで採用されている。また、LiDARのためのパーセプションソフトウェア(予測ソフトウェア)も開発・展開している。

Velodyne、Luminar、Ouster、Aeva、AEyeなどとLiDAR企業の競合は多いが、Innovizが今後どれだけ売上を伸ばしていけるか、注目だ。


【参考】関連記事としては「LiDAR(ライダー)とは?自動運転向けセンサーとして活躍」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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