日本とドイツが自動運転の安全性向上に向け、共同研究を強化する。内閣府とドイツ連邦教育研究省(BMBF)がこのほど、「安全性評価」「サイバーセキュリティ」に関連する2つの新たな研究開発計画の開始を承認した。
「安全性評価」については、内閣府の報道発表で「複雑な電子システムとソフトウェアの安全を確保するため、仮想空間での試験環境が求められている」と説明された上で、検証やモデリング、シミュレーションを適用するための評価手法を開発するとしている。
「サイバーセキュリティ」については、自動車のネットワークへの接続が増え、自動化などによって複雑性も増したことで、自動車の脆弱性が高まっていることが指摘されていることを念頭に置いて研究開発が進められていくという。
具体的には「開発プロセス段階で既に開始されている初期段階における現代の自動車の潜在的なセキュリティの脅威を検出し、排除する手法を開発します」とされている。
■2019年には「ヒューマンファクター」「社会経済インパクト評価」も
竹本直一内閣府特命担当大臣(科学技術政策)は今回の共同研究に関し、「安全性評価とサイバーセキュリティを検証する絶好の機会」と語り、ドイツのアニヤ・カルリチェク連邦教育研究大臣も「共同選定された2つの分野は、自動運転の信頼性を一層高めることに寄与する」と期待を寄せている。
日本とドイツが自動運転技術で共同研究に臨むのは今回が初めてではない。2019年には「ヒューマンファクター」と「社会経済インパクト評価」の分野で共同研究の計画が策定されている。
日本とドイツはともに自動車大国だ。そんな両国による共同研究が自動運転におけるエポックメイキングな成果につながることを期待したい。
【参考】関連記事としては「日本、自動運転領域で「全方位外交」展開へ EUとも協力強化」も参照。