住友商事株式会社(本社:東京都千代田区/代表取締役社長:兵頭誠之)は2019年4月5日までに、エアモビリティ分野での新規事業の創出を目的として、空飛ぶタクシーの開発を手掛ける米Bell Helicopter Textron社と業務提携を結んだ。
住友商事とBell Helicopter Textron社は今回の提携で、エアモビリティ分野での市場調査や共同研究を行う。具体的には無人ドローンやエアタクシーを活用したサービスを検討し、2020年代半ば頃の実用化を目指すという。
エアモビリティ分野は市街地での移動時間の短縮や、地方の山間部の交通問題解決、緊急時の搬送などの用途で期待されている。日本でも政府主導で官民協議会が発足して、実用化に向けた研究開発が進んでいる。
■eVTOL開発で80年以上の歴史を持つBell社
1935年設立のBell Helicopter Textron社は、主力商品のヘリコプターを中心として航空業界を牽引する企業だ。世界で初めてヘリコプターの商用認証を取得した実績や、eVTOLと呼ばれる垂直離着陸が可能な電動小型航空機の開発で80年以上の歴史を持つ。
eVTOLはドローンと電気自動車の技術を融合したいわゆる空飛ぶクルマで、次世代の都市交通手段として注目を集めている。Bell Helicopter Textron社は2019年1月に空飛ぶタクシー「Nexus」をラスベガスで発表したことでも注目を浴びた。
航空機より短い距離を手軽で安価に移動できる新しい移動手段が実用化すれば、既存の技術では不可能だった新しい移動サービスを提供できる。
■実用化へノウハウ結集、他業界の企業とも協力検討
Bell社が開発するエアモビリティ機材を用いたサービスを実用化するため、両社はそれぞれのノウハウを集結させたうえで、他業界企業との協力も検討していくという。将来的には空飛ぶタクシーなどを活用した物流や移動のサービスを普及させるため、インフラの構築も手掛ける方針だ。
住友商事グループは人と物が安全で効率的に移動できるモビリティの構築を重要課題の一つとして掲げている。今回のような協業によって新しい移動サービスを実現し、次世代モビリティ社会の構築に貢献していく考えだ。
【参考】関連記事として「空飛ぶタクシーとは? 3つのタイプや世界の開発企業を紹介」も参照。
空MaaSの主役・空飛ぶタクシー基礎解説&注目企業11社まとめ 自動車型など3タイプ、主流になるのは? https://t.co/jTFUfMQlkA @jidountenlab #空飛ぶタクシー #3つのタイプ #開発企業
— 自動運転ラボ (@jidountenlab) February 1, 2019