日本のWILLER、シンガポール国立庭園で自動運転バスの実証実験

ASEAN地域でのMaaS開発強化へ



出典:WILLERプレスリリース

高速バス大手のWILLER株式会社(本社:大阪府大阪市/代表取締役:村瀨茂高)のシンガポール子会社は2020年12月11日までに、エンジニアリングサービス事業を展開するのST Engineeringと協力し、シンガポールの国立庭園で自動運転の実証実験をスタートした。

実証実験が始まったのは「Jurong Lake Gardens」という国立庭園で、仏NAVYA製の自動運転バス「NAVYA ARMA」(定員15人)を使用している。約1.2キロの運行ルートを月〜金曜日の午前10時から午後4時まで、セーフティオペレーターが同乗して走行するという。


ST Engineeringが自動運転技術、WILLERがビジネスデザインとオペレーション管理を担当する。実証実験は2年間行われ、自動運転による旅客輸送システムが実用化できるかどうか、安全性や持続可能性の観点から検証していくという。

ちなみにWILLERは2019年10月、シンガポールの人気観光地である植物園「Gardens by the Bay」で、NAVYA社製の自動運転シャトル2台を使用した有償の定期運行サービスを開始している。

■高速バス大手ながら自動運転領域に果敢に挑戦

次世代モビリティ事業に力を入れているWILLER。すでに独自でMaaSアプリもリリースしており、2020年に入ってからは鉄道や路線バスの利用の際にQRコード決済ができるようになった。

2020年7月には米インテル傘下のイスラエル企業モービルアイと戦略的パートナーシップ契約を結び、日本や台湾、ASEAN地域で自動運転タクシーなどの商用化を目指すことを発表している。2021年には日本の公道で自動運転タクシーの実証実験を始める計画だ。


自動運転関連事業は自動車メーカーやIT企業などによって展開されているケースが多く、WILLERのような高速バス大手が取り組んでいるケースは少ない。そんな中でも同領域で存在感を高めているWILLERの勢いに今後も注目だ。

【参考】関連記事としては「WILLERとMobileye、自動運転タクシー「日本第1号」候補に!?」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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