大事な大事な「採算性」…東京都が自動運転ビジネスモデル実証を支援

自動運転タクシーの事業化など2プロジェクトを選定



実証実験で使用される「JPN TAXI 匠」(左)と「ARMA」(右)=出典:東京都プレスリリース

東京都は2020年8月20日までに、自動運転技術を活用したビジネスモデル構築に関する支援プロジェクトを選定したと発表した。

東京都の委託を受けた事業プロモーターの日本工営が、自動運転技術とそれ以外の先端的なICT技術などを組み合わせたビジネスモデルプロジェクトを公募し、選定した形だ。







プロジェクトは「ハイレベル部門」と「早期実用化部門」でそれぞれ1つずつ選ばれ、今後は東京都から支援を受けながら都内で実証実験に取り組んでいく。

■ハイレベル部門:5Gを活用した自動運転タクシーの事業化に向けた運行管理実証

「ハイレベル部門」では先端的なICT技術などを積極的に利活用し、自動運転技術やビジネスモデルなどの面でハイレベルな内容であるプロジェクトが対象となった。

今回選ばれたのは、Mobility Technologies、ティアフォー、損害保険ジャパン、KDDI、アイサンテクノロジーの5社によるプロジェクト「5Gを活用した自動運転タクシーの事業化に向けた運行管理実証」だ。

このプロジェクトでは、地域交通網の弱体化やタクシー業界が抱える担い手不足などの社会問題に対し、5G通信技術を活用して自動運転タクシーの事業化を目標に実証実験を行うというもの。

具体的には、西新宿エリアにおける4G・5G混在場所での連続車両運行と、1人で複数車両を監視する遠隔管制による車両管理を行い、専用モバイルアプリからのオンデマンド配車を実施する。

使用するトヨタのタクシー専用車両「JPN TAXI 匠」では、車線変更や交差点右左折・停止などにおいて自動操作が可能なようになり、緊急時はドライバーの操作が必要となるようだ。

■早期実用化部門:地域の公共交通・サービスと連携した自動運転の実用化

早期実用化部門では約3年以内の実用化が期待できるプロジェクトが対象となり、高速バス大手のWILLERが提案したプロジェクト「地域の公共交通・サービスと連携した自動運転の実用化」が選ばれた。

このプロジェクトでは、公共交通と接続した運行や飲食・物販のネット注文や宅配サービスなどの実証を通じて実用性や事業性を検証し、2022年度中の事業化を目指すという。実証実験は東池袋エリアで行う。

使用する車両は、仏NAVYA社が製造する自動運転EV(電気自動車)バス「ARMA」。ARMAは事前にマッピングしたルートにおいて、右左折・停止などを全てシステムが自動操作できる。緊急時はセキュリティスタッフが介入する。

■【まとめ】事業の採算性がサービス普及の鍵に

自動運転技術の進化は著しいが、自動運転技術を活用した事業の採算性が乏しければ、サービスの普及にはつながりにくい。そういった意味で、今回のビジネスモデル構築に関する支援プロジェクトの意義は大きい。

今後、この2つのプロジェクトの実証実験の成果も発表されていくはずだ。その内容に注目していきたい。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。同業上場企業とのJV設立や複数のM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立。設立3年で、グループ4社へと拡大し、デジタル系事業開発に従事している。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域最大級メディア「自動運転ラボ」立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術・会社の最新情報が最も集まる存在に。
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