自動運転技術の開発に力を入れる米EV(電気自動車)大手のテスラが米カリフォルニア州の車両管理局(DMV)に対し、完全自動運転ソフトウェア「FSD」について、現時点では自動運転の能力がない旨を説明していたことが、2021年3月12日までに明らかになった。
米自動車メディア「Car and Driver」などが報じた。報道によれば、テスラとカリフォルニアDMVは、FSDとAutopilotが自動運転レベル2(部分運転自動化)の機能にとどまることを確認したという。(※Autopilotはテスラの高度運転支援システム)
一方でテスラは、自動運転機能の車両への搭載に向けて、現在技術開発に取り組んでいるとしている。
■「完全自動運転」と称しているFSD
テスラのFSDは「Full Self-Driving」の略で、複数回の値上げによって現在1万ドル(約109万円)で顧客に対して提供されている。OTA(Over The Air)技術によってソフトウェアのアップデートをできることが特徴で、これまでも機能の拡充に取り組んできた。
ただし、Full Self-Driving、つまり「完全自動運転」と称しているものの、現在はシステム稼働中もドライバーの監視を必要としており、完全な自律走行には至っていない。一方で今後のソフトウェアのアップデートにより、自動運転機能が実装されることへの期待感は高い。
ちなみにテスラのイーロン・マスクCEO(最高経営責任者)は2020年7月のビデオインタビューで「I think at Tesla, I feel like we are very close to level 5 autonomy.」(私はテスラが自動運転レベル5にかなり近づいていると感じている)と述べていた。
マスク氏が言及したこの自動運転レベル5は、とこでもどんなときでも自動運転が可能な段階を指す。いわば自動運転の最終形だ。
【参考】関連記事としては「【最新版】自動運転レベル5とは?定義などの基礎知識まとめ」も参照。
■気になるレベル3〜4以上の機能搭載の発表時期
テスラの自動運転機能の提供についてはマスク氏がたびたび言及し話題になっている。今回、自動運転レベル2の技術であることが確認された格好となったが、テスラが自律型の自動運転技術の開発に今後も力を入れていくことは間違いない。
日本では2021年3月にホンダが自動運転レベル3の搭載車を発表して話題になったが、テスラが公式にレベル3もしくはレベル4以上の機能搭載を発表するのはいつか、気になるところだ。
【参考】関連記事としては「テスラの「完全自動運転サブスク」、2021年第2四半期から提供か」も参照。