コロナ下、自動車業界のテレワーク対応状況は!?トヨタ、デンソー、日産…【特集「自動運転×テレワーク」第1回】

一気呵成の「働き方改革」で人材獲得合戦を有利に





新型コロナウイルスとの戦いが長期戦となっている。重厚長大であった国内の自動車産業においても、感染拡大防止対策としてテレワーク(リモートワーク)の導入が進み、在宅勤務で働く人も増えている。







コロナが終息すれば今回のような緊急を要するテレワーク化の必要性は薄れるかもしれないが、テレワークが可能な体制作りは「働き方改革」にもつながり、若い優秀な人材を集める武器にもなりえる。

特に自動車産業ではCASE(コネクテッド・自動運転・シェアリング・電動化)の進展に伴い、これまで業界では決して多くなかったソフトウェアやシステムを操れるエンジニア人材がより多く必要となり、テレワークが可能な体制を定着させれば、こうした人材のヒキにもなるのだ。

この記事では、大手自動車メーカーをはじめとした自動運転業界に関わる企業のテレワーク対応状況などをまとめて紹介する。

■トヨタ:オフィス勤務の全従業員や工場の一部従業員を原則在宅勤務に

トヨタ自動車は、2020年3月26日から東京本社と名古屋オフィスで勤務する従業員を原則在宅勤務とした。独自に緊急事態宣言を出した愛知県では発表の翌日から、公共交通機関を利用して出勤する愛知県内の本社や事業所、工場の従業員も原則として在宅勤務としている。

■デンソー:フレックス制度を活用した時差通勤と在宅勤務を推奨

自動車部品大手のデンソーは、フレックス制度を活用した時差通勤と在宅勤務を推奨している。国内外の出張を原則禁止、社外の人と接触がある会議は自粛・延期し、個室で10名以上の会議やイベントも原則禁止、という感染防止対策を実施しているという。また、愛知県内にある展示施設のデンソーギャラリーと高棚工場見学ツアーも当面の間、休止と発表している。

■日産:出社がやむを得ない業務の担当者以外は在宅勤務を徹底

日産自動車は感染防止のため、独自の予防ガイドラインを設定し、在宅勤務をはじめとした対策を行っている。出社がやむを得ない業務を特定し、原則としてそれ以外の業務に携わる人の在宅勤務を徹底している。また、出社する場合も公共交通機関の利用を出来る限り避け、業務はソーシャルディスタンス(社会的距離)を保って遂行すると発表している。

■マツダ:在宅勤務の拡大や自動車通勤への切り替えを推奨

マツダは広島本社に公共交通機関で通勤する従業員を対象として、在宅勤務の拡大や自動車通勤への切り替えを推奨し、公共交通機関利用の80%抑制を目指す取り組みを進めている。併せて、朝と夕方の時差勤務や土日出勤への切り替えや休業との組み合わせも実施しているという。また、首都圏の拠点である東京本社とマツダR&Dセンターに勤務する人の出社も原則禁止し、在宅勤務と休業を併用している。

■ホンダ:全国の事業所で原則在宅勤務、工場でも感染防止対策

ホンダの全国の事業所では、在宅勤務を原則としている。工場などの出勤が必要な生産ラインでは、手洗いの奨励や咳エチケットを徹底し、業務を行うエリアでは定期的な消毒の執行など、感染防止対策を実施しているという。

■ダイハツ:2020年4月1日からの本格導入を前倒し

ダイハツは2019年にテレワークのトライアルを実施し、2020年4月1日から本格導入を予定していた。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、前倒しでテレワークが実施となった形だ。同社は、2020年2月28日から可能な限り在宅勤務を推奨しており、対象は国内の従業員のおよそ半数を占めるという。

■三菱自動車:事務系の従業員をテレワークに切り替え

自動車メーカー大手の三菱自動車工業は、日本国内の各製作所で実施している工場見学を当面の間中止した。同社の米国部門である北米本社は、2020年3月16日から全ての事務系の従業員をテレワークに切り替えたという。テレワーク中でも米国各地のディーラーパートナーのサポートに取り組み、清掃や消毒などについてのアドバイスを行なっているようだ。

■アイサンテクノロジー:原則在宅勤務、会議も原則オンライン化

自動運転にも力を入れる測量ソフト開発のアイサンテクノロジーは全拠点を対象として、原則在宅勤務を実施しており、社内をはじめ社外との会議も原則オンライン化を図っているという。また、国内外問わず不要不急の出張も原則禁止している。なお、緊急性や必要性のある会議や出張は同社の社内ガイドラインに則り、関係者間における同意の上で実施・対応するという。

■DeNA:在宅勤務を強く推奨、メールでの業務遂行に注力

自動運転サービスの実用化にも取り組むディー・エヌ・エーは、対策本部を設置し独自のガイドラインを策定している。具体的にはオフィスの所在を問わず在宅勤務を強く推奨することや出退時の時差通勤を可能とすること、書類の郵送や物理的な押印、署名作業を原則としてメール上のみで成立させるなどだ。イベントや集会、会食、宴会についても原則として禁止しており、他社との会議についても自粛しているという。

■損害保険ジャパン日本興亜:テレワークや時差出勤を推進

自動運転時代を見越した保険商品の開発にも取り組む損害保険ジャパン日本興亜は、2020年2月20日より本社に危機対策本部を設置し、テレワークや時差出勤を推進していると発表している。

■ゼンリンデータコム:在宅勤務を実施、メールやウェブで問い合わせ対応や会議

ゼンリン子会社の株式会社ゼンリンデータコムは、緊急事態宣言が発令された翌日の2020年4月8日から在宅勤務を実施している。在宅勤務実施中は問合せなどの対応はメールのみ、取引先との打ち合わせにはWEB等を活用した会議を提案しているという。

■【まとめ】テレワークが可能な体制が優秀なエンジニア集めにつながる

自動運転時代は優秀なエンジニアを労働力として確保することが重要だが、こうしたエンジニアの中には高い効率性や出社必須の働き方に縛られない体制など、フレキシブルな勤務体系に魅力を感じる人材が多い。

コロナを機にこうした柔軟な勤務体制をいち早く備えた企業は、エンジニア獲得合戦を有利に進められることができそうだ。

※自動運転ラボは新型コロナウイルス関連の記事を「タグ:新型コロナウイルス|自動運転ラボ」でまとめて発信しています。

>>特集:目次

>>特集第1回:コロナ下、自動車業界のテレワーク対応状況は!?トヨタ、デンソー、日産…

>>特集第2回:自動運転、With/Afterコロナ時代の実証実験や研究開発の在り方は?

>>特集第3回:自動運転開発、コロナでのテレワーク化はむしろ追い風?

>>MaaS・自動運転業界向け!ストロボが「テレワーク導入・人事コンサル」開始

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。同業上場企業とのJV設立や複数のM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立。設立3年で、グループ4社へと拡大し、デジタル系事業開発に従事している。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域最大級メディア「自動運転ラボ」立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術・会社の最新情報が最も集まる存在に。
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