運転手を”Rides”から”Eats”へ導いたUBER、宅配バブルの勝者に

2020年1〜3月決算、Eats収益は53%増



出典:Ecole polytechnique / Flickr (CC BY-SA 2.0)

Uber Eatsの収益は53%増——。米Uber Technologiesの最新決算。2020年1〜3月期の決算は赤字額がほぼ倍増したが、新型コロナウイルスによる「宅配バブル」でUber Eats部門は大増収となった。

ダラ・コスロシャヒCEOは「配車サービス事業はパンデミックの進行で甚大な打撃を受けた」と述べた上で、「追加のリソースをUber Eatsに集中し、あらゆる回復シナリオに備えるために迅速な行動を取った」と強調している。







旅行や通勤などでの人の移動は減ったものの、生活を支えるための物流サービスの需要は伸び、Uber Eatsの収益は前年同期の5億3600万ドル(約560億円)から8億1900万ドル(約860億円)まで伸びた。

また全体の収益の中では少ないが、運送会社と貨物をマッチングする貨物サービス「Uber Fright」も前年同期比57%増となり、前年同期の1億2700万ドル(約130億円)から1億9900万ドル(約210億円)まで増えた。

ウーバーの決算からは、ビジネスの多角化が結果として事業リスクの分散につながったことを示している。

出典:Uber決算資料
■新型コロナ、リソースを「Rides」から「Eats」に転換

決算資料では、新型コロナウイルスへの対策として実施した点については、主に以下のように説明されている。

  • 感染または隔離を必要とされたドライバーへの最大14日間の財政支援
  • ドライバーや配達員への消毒用品やPPE(個人防護具)の提供
  • 1,000万回の医療関係者、高齢者、困っている人々に対する配車や配達の提供
  • レストランがUber Eatsに簡単に参加できるようにするためのサポート

Uber Ridesのドライバー向けアプリが強化され、配車サービスのドライバーが容易にUber Eatsの配達ドライバーになれる仕組みが構築されたことにも注目したい。「ドライバー」というリソースを、需要が急速に落ちこんだ「Rides」から「Eats」に転換させた形だ。

■一筋の光をより大きな光へと

ただ配車サービスの落ち込みは、やはりウーバーにとっては大きな痛手だ。1〜3月は前年同期比で2%増という数字を残せたものの、4〜6月期はマイナスとなることが避けられない状況と考えられる。アメリカでの感染拡大の影響をもろに受けるのが4〜6月期からだからだ。

ウーバーの宅配サービスの大幅増収は配車サービスが厳しいコロナ下における同社にとっての一筋の光だ。そしてその一筋の光をより大きな光へと変えていこうと模索した——。ウーバーの最新決算からは、こうした点が強く感じられた。

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記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。同業上場企業とのJV設立や複数のM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立。設立3年で、グループ4社へと拡大し、デジタル系事業開発に従事している。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域最大級メディア「自動運転ラボ」立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術・会社の最新情報が最も集まる存在に。
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