日本初!大型バスの営業走行で自動運転 無人化の潮流、国内外で

横浜市・相鉄バス・群馬大学も実証実験





出典:横浜市プレスリリース

神奈川県横浜市と相鉄バス株式会社(本社:横浜市)と群馬大学の3者は2019年8月27日までに、自動運転技術による持続可能なモビリティサービスの実現を目指し、「路線バス自動運転プロジェクト」を立ち上げることを発表した。

プロジェクトの一環として、9月14日から10月14日まで開催される「里山ガーデンフェスタ2019秋」で、大型路線バスを使った自動運転の実証実験を行うという。大型バスを使用した営業運行(貸切営業としての運行)での自動運転の実証実験は、国内初の試みだ。







同プロジェクトでは、郊外の交通ネットワークの維持や人口減少に伴う労働不足への対応を目的とし、自動運転バスによる地域交通課題の解決を目指す。横浜市がプロジェクトの調整役となり、相鉄バスは自動運転バスの提供と運行、群馬大学は自動運転技術の提供が主な役割だ。

いま日本国内や海外ではこうした自動運転バスのプロジェクトが続々立ち上がり、実証実験が盛んに行われている。ここからは日本国内と海外における主な自動運転バスプロジェクトについて紹介していこう。

■日本国内の主な自動運転バスプロジェクト

日本で自動運転バスが継続的に定期運行されているのは、東京電力ホールディングスが資金を拠出している、福島第一原子力発電所の構内で走る「はまかぜe」のみだ。ただそのほかにも、自治体が予算を計上して事業者を選定するスキームなどで、大小さまざまな実証実験が行われている。

自動運転バスの開発を手がける埼玉工業大学(本部:埼玉県深谷市/学長:内山俊一)は、研究プロジェクトとして「自動運転技術開発センター」を2019年4月に設立した。このプロジェクトは埼玉県の「埼玉スマートモビリティ実証補助金」に採択されている。同年8月には自動運転バスを関係者に公開し、「2019坂戸・夏よさこい」に参加して一般市民へのお披露目と公道実証実験も行った。

最近では、ソフトバンク(本社:東京都港区/代表取締役社長:宮内謙)とMONET Technologies(本社:東京都港区/代表取締役社長:宮川潤一)=モネ・テクノロジーズ=と千葉市(市長:熊谷俊人)の3者が、MaaS事業の推進を含む包括連携協定を締結したことも話題になった。熊谷市長は幕張新都心での自動運転バス導入を目指す考えのようだ。

神奈川県での取り組みとしては、小田急電鉄株式会社(本社:東京都新宿区/代表取締役社長:星野晃司)とソフトバンク子会社のSBドライブ株式会社(本社:東京都港区/代表取締役社長:佐治友基)などによる自動運転バスの実証実験も注目を集めた。車両が信号情報を取得したり、交差点に設置したセンサーで対向車の有無を確認して右折したりと、より高度な技術検証に臨んだ。

■海外における主な自動運転バスプロジェクト

世界各国で自動運転バスの取り組みが行われる中、一歩リードしている印象なのがドイツだ。ドイツは、自動運転技術を開発するフォルクスワーゲン(VW)やBMW、自動駐車分野でも存在感を示すボッシュのお膝元で、実証実験の積み重ねと迅速な法整備で自動運転バスの定着がいち早く進むと考えられている。

ドイツでは2017年に道路交通法の改正案が可決されたことも受け、バイエルン州で自動運転バスの試験運行が行われ、2019年8月には首都ベルリンでの試験走行も始まった。2019年末まで試験運行を続ける予定だという。

アメリカでは2018年6月、米ミシガン州デトロイトで自動運転EV(電気自動車)バスの運行がスタートした。2017年創業のスタートアップMay Mobilityがこのプロジェクトに取り組んでいる。

■【まとめ】自動運転バスが悪循環を断ち切る「光」に

人口減や高齢化が加速している日本国内の市町村などでは、多くの公共交通機関が厳しい経営状況となっている。利用者減により運行本数が減り、そのことで利便性が損なわれ、さらに利用者の足が遠のく…。こうした悪循環に陥っている。

そんな悪循環を断ち切れる「光」とも言える存在が自動運転バスだ。地方は都心に比べて交通量が少なく、バスは走行ルートも決まっているため、自動運転技術が導入しやすい環境と言える。安全性の確保は大前提ではあるものの、早期の実現を望む声が多い。







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