自動運転時代の道路空間、中間とりまとめ案の中身は?

検討会が公表、政府目標・課題と今後の方針など





国土交通省は2019年11月6日に「自動運転に対応した道路空間に関する検討会(第4回)」を開催した。国土交通省は中山間地域での道の駅を拠点とした自動運転サービスの実証実験などを行い、自動運転の早期実現に向け取り組んでいる。







検討会では中間とりまとめ案が配布され、その資料が公開された。この記事ではその資料の概要を紹介していく。

■自動運転における政府目標・課題と今後の方針
一般道路の限定地域

政府は2020年までに一般道路の限定地域での自動運転レベル4(高度運転自動化)の無人自動運転移動サービスを目指し、その後は2025年を目処に対象地域や範囲を拡大する目標を掲げている。

ただ現在は手動介入が発生し、自己位置の特定にも課題があるため、自動運転に対応した走行空間の確保と自己位置特定のためのインフラからの支援を今後進めていく方針だ。

高速道路の隊列走行

高速道路の隊列走行において、政府は2021年度までに後続車有人隊列走行システムの商業化を、2022年度までに後続車無人隊列走行システムの商業化を目指している。

ただ高速道路の合流部で一般車両との合流阻害や防護フェンスや橋梁下などにおけるGPS測位精度の低下などが課題となっているため、今後は商業化普及時に必要な専用走行空間の確保や、GPS測位精度低下対策の支援を進めるものとしている。

自家用自動車の高速道路走行

自家用車での高速道路走行においては、2020年までに自動運転レベル3(条件付き運転自動化)の自動運転を、2025年を目処にレベル4の自動運転を実現したい意向だ。

ただ現状は課題として、路面の区画線のかすれや分岐の破線の不連続などによる認知誤差や車載センサーでは把握できない外部情報が不足していることなどがある。

【参考】自動運転レベルの定義については「自動運転レベル0〜5まで、6段階の技術到達度をまとめて解説」も参照。

■実証実験から確認された課題と必要な整備

これまでに実施された自動運転の実証実験ではいくつかの課題が抽出されており、上記の中でも触れられている。中間とりまとめ案ではこれらの課題について詳しい内容が説明されているので、その内容も紹介する。

一般道路の限定地域

一般道路の限定地域での実証実験では、自動運転が継続できない事象により手動介入が発生することが課題だ。

一番多い事象は「路上駐車の回避」で17%、次に多いのが「GPSなどによる自己位置の特定不具合」で12%、「進路上の自転車や歩行者の回避」が7%と続く。自動運転が継続できない事象の半数以上は直線道路上で起きている。交差点や道の駅などの駐車場で発生するのはそれぞれ5%ほどだった。

自動運転を継続してスムーズに行うには、自動運転車専用のレーンを作ったり、自動運転車の走行を明示する路面表示の図柄を統一したりと、走行空間を確保することが必要だ。一方で自己位置を正確に特定するためには、道路に埋め込まれた電磁誘導線や磁気マーカーなどインフラからの支援が必要だという。

高速道路の隊列走行

高速道路の隊列走行実証実験では、大型車の合流阻害やGPS測位精度の低下、SA(サービスエリア)やPA(パーキングエリア)内での歩行者と接近が課題だ。

合流阻害では、高速道路で合流しようとする大型バスやトラックに対し、隊列トラックが本線から接近したため大型バスやトラックが合流できずに停車してしまうということが課題となっている。

GPS測位精度はおおむね自動運転に必要な精度は確保しているものの、橋梁や金網ネット通過時に測位精度が低下する。またSAやPAの車道走行中には歩行者が車道を横断して車両に接近したため、ドライバーによるブレーキ制御が発生した。

高速道路の隊列走行には専用の走行空間の確保や、GPS測位精度低下対策のためのインフラ支援、隊列形成や分離スペースを備えた物流拠点などの整備、合流視線施設の整備などが必要だとされている。

■【まとめ】海外の動向も踏まえて今後も検討

中間とりまとめ案ではいずれの目標に対しても、海外の動向を踏まえ、道路空間やインフラ強調、技術開発や整備、管理などのあり方について今後も検討していくことが説明されている。中間とりまとめ案は下記リンクから確認が可能だ。

▼自動運転に対応した道路空間のあり方「中間とりまとめ」(案)
https://www.mlit.go.jp/road/ir/ir-council/road_space/pdf04/02-1.pdf

▼自動運転に対応した道路空間のあり方「中間とりまとめ」(案):概要版
https://www.mlit.go.jp/road/ir/ir-council/road_space/pdf04/02-2.pdf

【参考】関連記事としては「自動運転、ゼロから分かる4万字まとめ」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。同業上場企業とのJV設立や複数のM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立。設立3年で、グループ4社へと拡大し、デジタル系事業開発に従事している。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域最大級メディア「自動運転ラボ」立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術・会社の最新情報が最も集まる存在に。
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