Apple、自動運転事業はもう手遅れ?GoogleとGM、リード拡大

自動運転タクシー、カリフォルニア州で解禁



Appleは自動運転が可能な「Apple Car」を開発しているとされているが、今から開発スピードを高めてももう手遅れかもしれない。そう感じるくらい、GoogleやGMの勢いが増しているからだ。


米カリフォルニア州の道路管理局(DMV)は2021年10月10日までに、Google系の自動運転事業を担う米Waymo(ウェイモ)とGM傘下のCruise(クルーズ)に対し、自動運転車を使った商業サービスを行うことを承認したと発表した。

報道によると、DMVがこうした許可を出したのは初。これにより、両社は自動運転タクシーを展開できるようになる。AppleもカリフォルニアDMVから自動運転の試験許可は取得しているが、商業サービス許可ではGoogleとGMに完全に出遅れた格好だ。

■WaymoとCruiseに商業サービス許可

報道によれば、WaymoとCruiseに出された許可と今後の運行の枠組みについては、両社で内容がやや異なる。例えばセーフティドライバーについては、Waymoの場合はセーフティドライバーの同乗が必要だが、Cruiseの場合は必要がない。

一方、走行速度の上限はWaymoは時速105キロまでとなっているが、Cruiseは時速約48キロまでとなっている。


つまりWaymoはセーフティドライバーの同乗が必要だが、その分、スピードを出せるということだ。Waymoの方が乗客にとっては都合が良さそうだ。車両がスピードを出せる方が、目的地に到着するまでにかかる時間が少なく済むからだ。

商業サービスの展開地域も決まっている。Waymoはサンフランシスコとサンマテオの一部、Cruiseはサンフランシスコの指定地域内とされている。商業サービスを提供可能な時間帯も異なる。Waymoは制限がないようだが、GMは午後10時から午前6時までの間となっている。

■自動運転、Appleの手遅れ感

Waymoは2018年12月に、世界で初めて自動運転タクシーサービス「WaymoOne」をアリゾナ州で開始した。GMも今回の許可を得て、いよいよ自動運転タクシーサービスを開始するものとみられる。

一方、Appleはこのまま自動運転業界における企業間レースから脱落するのだろうか。秘密主義のAppleだけにまだ結論を出すのは早計だが、だいぶ手遅れ感が出てきたと感じる人も増えてきているかもしれない。


▼Waymo公式サイト
https://waymo.com/
▼Cruise公式サイト
https://www.getcruise.com/
▼DMV Approves Cruise and Waymo to Use Autonomous Vehicles for Commercial Service in Designated Parts of Bay Area – California DMV
https://www.dmv.ca.gov/portal/news-and-media/117199-2/

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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