ウェイモ ロボタクシーを2027年末までに2万台へ急増 東京は100台規模

日産・Uber陣営も東京へ



米Google系の自動運転開発企業ウェイモ(Waymo)が、自動運転ロボタクシーを2027年末までに約2万台へ増やす計画だと報じられた。現在の約4,000台からの5倍増で、2026年末には8,000台を見込む。


計画を支えるのは、今月調達した50億ドルの融資と、中国の自動車大手Geely(ジーリー)傘下のZeekr(ジーカー)製EVを使う新型車Ojai(オジャイ)だ。一方、東京では2027年に、タクシー配車アプリ大手のGO、東京最大手のタクシー会社である日本交通と組んで、約100台規模の無人サービスを始める予定で、2万台計画との関係は明らかになっていない。

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■ウェイモの自動運転ロボタクシー2万台計画 4,000台から5倍増へ

ウェイモの計画は、台数の伸びが際立つ。保有台数を次のように増やす計画で、5倍増となる。

  • 現在:約4,000台
  • 2026年末:8,000台
  • 2027年末:2万台

2026年末までの目標は、3カ月足らずで台数を倍にする水準にあたる。2027年は差し引きで約1.2万台の積み増しとなり、計画期間の全体は約14カ月に収まる。ロボタクシー市場の中で、規模の拡大を一気に進める構えだ。

ただし、この数字はウェイモの公式発表ではなく国際ニュースメディアSemaforが報じた計画である。


足元でも、ウェイモは米国の15都市で有償の乗車サービスを運営している。ロサンゼルスやマイアミ、サンフランシスコのベイエリアなどが含まれる。ウェイモによると、乗車数は週50万回を超える。米テキサス州では、ウェイモが数百台を運行する一方、州の記録上、米EV大手テスラ(Tesla)のロボタクシーは42台だった。

【自動運転ラボの視点】
報道ベースの計画とはいえ、実現すれば、自動運転タクシー市場の主役がウェイモになる流れは固まる。日本の読者にとって重要なのは、その拡大が東京の100台にどう波及するかだろう。

■2万台を支える50億ドルの融資と、中国製EV「Ojai」の大量導入

計画の裏付けとなるのが資金だ。ウェイモは今月、初の債務調達として50億ドルの融資を受けた。貸し手にはPIMCO(ピムコ)やBlackstone(ブラックストーン)などが名を連ねる。今年は別に160億ドルの資金調達も実施している。

車両の主役は新型車Ojaiだ。Zeekr製のEVをベースに、第6世代の自動運転システムを載せる。ウェイモは車体を米国へ輸入し、米アリゾナ州メサの工場で自社のシステムを搭載して出荷する。従来使ってきた英ジャガー(Jaguar)のEV「I-PACE」は2024年に生産が終わっており、最後の納車は昨年だった。


輸入の規模も大きい。調査会社モフェットネイサンソンの推計では、ウェイモは今年末までに約5,100台のOjaiを輸入する見通しだ。ただし、これは輸入台数の見通しであり、実際に走る保有台数とは別の数字となる。

壁になるのは関税と規制だ。中国製EVには100%の関税が課され、通常の関税にも上乗せされる。さらに米商務省は、中国などに関連する車載の通信技術を規制している。ウェイモは、中国製の自動運転システムや通信機能を外した状態で車体を輸入し、メサの工場で米国製のシステムを搭載する。関税は負担したうえで、それでも採算が成り立つとみられている。

■ウェイモの東京展開 2027年に約100台規模で無人サービス

東京の計画は、2万台計画とは別に発表されたものだ。ウェイモは2026年9月15日、GO、日本交通と、2027年に東京で無人のロボタクシー事業を始めると発表した。日本初の有償の無人タクシーサービスとなる。運転手のいない無人走行は、米自動車技術会SAEが定める自動運転レベル4にあたる。

サービスはGOとウェイモ、両方のアプリで使える。初期の台数から始め、都内の主要エリアで約100台規模へ段階的に広げる。ただし、国と自治体の承認を得ることや、技術と運行体制の検証を終えることが前提だ。

役割分担は明快だ。ウェイモが自動運転技術を、GOが配車の窓口を、日本交通が地元の運行を担う。2025年からは東京で走行を重ね、日本交通の乗務員がセーフティドライバーとして同乗し、自律走行を続けてきた。車両はジャガーのI-PACEをベースにすると報じられているが、ウェイモの公式発表では車種が示されていない。

東京の約100台は、単純に比べれば2万台の約0.5%にあたる。ただ、報道は台数の都市別内訳に触れておらず、東京分が2万台に含まれるかも明らかになっていない。ウェイモは東京とロンドンへの展開を発表済みだが、計画の台数配分は公表していない。

■日産・ウーバー・Wayveも東京でロボタクシー実証へ

東京のロボタクシーを狙うのは、ウェイモだけではない。日産自動車は2026年3月、米配車大手ウーバー(Uber)、英AI企業Wayve(ウェイブ)と、東京でのロボタクシー実証に向けた覚書を結んだ。日産のEVリーフに、WayveのAI運転技術を載せ、ウーバーのアプリで呼べるようにする。

運行を担うのは、東京のタクシー会社である日の丸交通だ。ウーバーの日本法人は2026年8月13日、日の丸交通と運行の提携契約を結んだと発表した。実証は2026年後半に始まる予定で、当初は日の丸交通の運転手がセーフティドライバーとして同乗する。

ウェイモが2027年の無人営業を目標にするのに対し、日産・ウーバー・Wayveの陣営は、運転手が同乗する実証から始める段階だ。東京では、両陣営が並行してロボタクシーの準備を進めている。

Uberのロボタクシーがついに2026年後半に実現か 日産×日の丸交通とタッグ

■ウェイモの自動運転ロボタクシー拡大と東京展開の行方

ウェイモは米国で自動運転ロボタクシーを2万台に増やす計画と報じられた一方、東京は約100台規模からのスタートとなる。ウェイモは資金、車両、組み立て工場を押さえ、米国で台数を一気に伸ばす段階に入った。一方の東京は、承認を待ちながら、地元の運行会社と配車アプリの力を借りて、小さく始める段階にある。

2万台は報道ベースの計画であり、実現するかは今後の資金や規制、運用の安定性にも左右される。5月には、冠水した道路に進入する問題で、5都市のサービスを一時止めた経緯もある。東京についても、2万台の枠内かどうかは分からない。一方で、東京で約100台規模のサービスを始める計画は、ウェイモが公式に発表している。

焦点は三つある。2万台のうち東京に何台が回るのか。国と自治体の承認はいつ下りるのか。東京の車両は何になるのか。いずれも現時点で公式の答えはない。今後の動向に注目したい。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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