テスラ、ロボタクシー事故を「黒塗り」で隠蔽?

米メディアが報じて波紋



米EV(電気自動車)大手テスラは、2025年6月に自動運転タクシー(ロボタクシー)サービスを開始した。しかし同社は、運行しているロボタクシーが起こした3件の事故を隠そうとしていると、米メディアが報じている。


事故については関係当局へ報告済みであるものの、経緯を「黒塗り」にしているのだという。そのため事故の状況を把握したり、自動運転システムの責任の度合いについて評価したりするのが極めて難しくなっているようだ。

テスラは現在、セーフティドライバーが同乗する形でロボタクシーサービスを行っている。それにも関わらず事故を起こすという、同社の自動運転技術レベルについても疑問の声が上がっている。

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■開始約1カ月でロボタクシーの事故3件

自動車メーカーは自動運転システムやADAS(先進運転支援システム)に関連する事故について、通知を受けてから5日以内にNHTSA(米国運輸省道路交通安全局)へ報告することが義務づけられている。

テスラはレベル2のADASに関しては事故報告をこれまで数千件行っている。しかしレベル3から5に該当する自動運転システムは持っていないため、自動運転システムに関する事故は一度も報告したことがなかったという。


2025年6月からテキサス州オースティン、7月からカリフォルニア州のベイエリアでロボタクシーサービスを展開しているテスラ。今回判明した事故は、3件とも7月にオースティンで発生した。

事故のうち少なくとも1件では負傷者が報告されているが、テスラはそれを「軽傷」と分類している。また同社が公表した情報によれば、いずれの事故についても当局による調査は行われていない。

米メディアの指摘によると、競合他社が事故の経緯について積極的に情報を公開しているのとは対照的に、テスラはNHTSAへの事故報告において全ての経緯情報を黒塗りにしているのだという。

出典:Tesla公式サイト

■スモールスタートにも関わらず…

事故の隠滅とともに米メディアが指摘しているのは、テスラのロボタクシーはセーフティドライバー同乗のもと運行しているのに、なぜ事故をたびたび起こしているのかという点についてだ。セーフティドライバーは助手席に座り非常停止用のスイッチに指を置き、トラブルなどが発生した場合にいつでも車両を停止できるようにしている。


しかもオースティンに配備している自動運転車両は、10数台程度にとどまると予想されている。ごくわずかの台数でサービスを展開しているにもかかわらず、サービス開始1カ月ほどで3回も事故を起こすというのは、テスラの技術レベルと安全対策が不十分であると言わざるを得ないかもしれない。

同社CEO(最高経営責任者)のイーロン・マスク氏は、2025年内にセーフティドライバーを撤廃し「完全自動運転」でのサービスを開始すると主張している。しかしテスラの自動運転システムが、ドライバーレスでの自動運転走行を実現できることを示すデータが公開されたことはこれまで一度もない。またNHTSAは、テスラが事故データを誤って報告している疑いについても調査を進めていると報じられている。

■本当の意味で「始動」する日はいつ?

テスラの自動運転技術については、これまでにも疑問を呈する意見が数多く出ている。

世界で初めて商用ロボタクシーサービスを開始した米Google系の自動運転開発企業Waymo(ウェイモ)の元CEO(最高経営責任者)のジョン・クラフチック氏は、「テスラのロボタクシーはロボタクシーとは呼べない」と発言し話題になった。

テスラのADASについては一定の評価をしているが、セーフティドライバー有りでの運行は、本当の意味でのロボタクシーサービスの運行ではないという指摘だ。

話題性では他社に抜きん出ているテスラだが、本当の意味での「自動運転車」を実用化するのはいつになるのだろうか。そのためには全ての事故詳細を報告し、また安全レベルの向上を行っている事実があるなら対外的に積極的に公開していく必要があるだろう。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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