テスラ、自動運転中に「クジャク」を神回避!でも鹿には衝突

野生動物や悪天候対策も必須



出典:X

テスラのロボタクシーが、車道を横断する孔雀を減速して回避する動画が公開された。さすがはテスラ。しっかりと孔雀を認識して対応したようだ。

日本人としては、まず孔雀の登場に突っ込みたいところだが、さまざまな野生動物が生息する米国ではこうした動物への対応も重要となる。


テスラのロボタクシーはどこまで進化したのか。利用者の反応を集めてみた。

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■テスラのロボタクシーへの反応

横断する孔雀をしっかりと認識

初めに見てもらいたいのは、テスラやスペースXなどの投資家が2025年6月にXにアップした動画だ。本文には「私のテスラ・ロボタクシーは孔雀を轢かないようにしている」とある。

動画では、やや見えにくいが走行中のロボタクシーの前方を右側から孔雀が横断する様子が収められている。クルマが来ても何のその……といった感じでのんびり横断しているが、ロボタクシーは減速・停車し、孔雀をやり過ごしてから再び速度を上げている。

Turing創業者の一人で最高人事責任者(CHRO)を務める青木俊介氏もこの投稿をリポストし、「テスラの自動運転は道端のクジャクも避けられる」と称賛している。

この孔雀が野生かどうかは定かではないが、アメリカでは他所から持ち込まれ野生化した孔雀があちこちにいるようだ。テキサス州では、野生の豚やアルマジロ、コヨーテなども生息しているという。


アメリカでは、野生動物との衝突事故は年間100万~200万件発生しており、死亡者も3桁に上るという。ADASや自動運転においては、こうした野生動物への対応も重要視すべき状況なのだ。

孔雀はレアケースの部類で、野生動物の中では比較的検知しやすいものと思われるが、草むらから急に飛び出してきた場合などは即座の対応が求められる。野生動物はサイズ・形がさまざまで、その動きも予測しづらい。

衝突事故も報告されているものの、人間の目に近い水準に?

ロボタクシーではなくFSDもしくはAutopilotだが、前方左側の草むらに猫のような小動物がいるのをいち早く察知して速度を落とし、その動物が道路を横切るのを待つ様子が収められた動画も公開されている。おそらく、人間よりも早いタイミングで小動物を認識している印象だ。


その一方、FSDで夜間走行中、前方にいた鹿に全く気付かずノーブレーキで衝突した事例も公開されている。映像上では、鹿は道路と同一化したような色合いでほぼ縦方向で静止しており、直前までその存在に気付くことができないレベルだ。人間同様、カメラベースのFSDが気付けず衝突事故に至ったケースだ。

100%ではないにしろ、テスラのコンピュータビジョンは人間の目に近づきつつあり、場合によっては人間を超えた面も有しているようだ。今後、さらに進化することはあってもその視力が落ちることはないと考えれば、大いに期待できるのではないだろうか。

雨天時も問題なく走行

自動運転においては、悪天候にどこまで対応できるかも重要となる。雨が降るたびに運行中止になるようでは、持続的なサービスとして成立しない。ゲリラ豪雨やホワイトアウトするような猛吹雪など人間による手動運転でも危険を伴うレベルの悪天候は仕方がないとして、一般的な降雨や降雪レベルをクリアできないと日常的な運行に支障が出るためだ。

カメラベースのテスラのFSDも雨に弱いと言われていたが、ロボタクシー関連の動画では雨天時の走行を評価する者も多数アップされている。

「大雨の中、テスラのロボタクシーに乗ってみました。完璧に機能し、止まることもありませんでした」「豪雨の中、テスラのロボタクシーが快調に走行」「テスラFSDは雨天走行不可と噂されていますが、ロボタクシーがそれを証明しました!」――といった具合だ。

本降りの雨の中でもロボタクシーは問題なく走行しており、対向車に水をぶっかけられてもしっかりと運転を継続している。カメラビジョンは視界が遮られる雨が苦手なはずだが、AI技術だろうか、しっかりと克服している様子が見て取れる。

Uターンもしっかりこなす

ありそうで中々ないシチュエーションが、道路でのUターンだ。手動運転でも道路でUターンする機会はそれほど多くないが、テスラのロボタクシーでこの貴重な機会を動画に収めた人物もいる。

奇しくも雨天時、ロボタクシーが左に旋回したかと思うと停止し、即座に右にハンドルを切りながらバックし始めた。その後、左にハンドルを戻しながら前進し、スムーズにUターンした。明らかに熟練ドライバー並みだ。

こうした基本的な動作をマスターしている点もポイントだ。おそらくWaymoなど他社もこうした動作は当然可能にしていると思われるが、人間のドライバーであれば多少イレギュラーであっても臨機応変に対応する場面をどこまで抑えているかも重要だ。

Waymoなどの場合、意図的にプログラムしなければできないような動作を、人間の運転に基づく形でアプローチしているテスラの自動運転は自然に学習している可能性が考えられる。こうした点もテスラの強みになりそうだ。

付加サービスにも期待

テスラのロボタクシーはさまざまな便利機能も搭載しているようだ。

「先日ロボタクシーに乗ったのですが、「車両を探す」というすごく便利な機能があることに気づきました。スマホで車のロックを解除したり、トランクを開けたり、ヘッドライトを点滅させたり、クラクションを鳴らしたりできるのもすごく便利。どこにいても車を見つけるのがすごく簡単です」と投稿されている。

テスラのアプリ画面に、対象となるテスラ車がどの方角にいるかを示す矢印が表示されている。自分が配車した車両がどこにいるのか、どのクルマかをさっと見極める術は思いのほか重要で、Waymoをはじめとする他社もさまざまなシステムを実装している。

現状は、各社とも無人移動サービスをしっかりと確立させる点に注力しているが、将来的には付加サービス・機能を実装し、他社と差別化を図りながら利便性を追求していくフェーズに突入する。

その際、アイデア・発想力と、さらなるUI・UXの向上が必須となるが、テスラの得意分野と言える。どのような変革を起こすか、マスク氏の構想に注目したいところだ。

他州への展開に注目

テスラのロボタクシーサービスは現在オースティンの一部エリアに限られているが、6月のローンチ後、エリア拡大を図るなど少しずつ改善を図っているようだ。

カリフォルニア州では、ドライバー付きのハンズオフ運転でサービス実証を行っているようだ。カリフォルニア州道路管理局(DMV)からはドライバー同乗の公道実証ライセンスしか取得していないため単純な実証にとどまるが、カリフォルニア州パロアルト、ニューヨーク州ブルックリン、テキサス州ヒューストン・ファーマーズブランチ、アリゾナ州テンペ、ネバダ州ヘンダーソン、フロリダ州タンパ・クレルモン・マイアミの各都市でオペレーターを募集するなど、積極的に拡大を図っていく構えだ。

オースティンのサービスで無人化に踏み切るのはいつごろとなるのか、許認可含め他州への展開がどのように具体化していくのか、今後の動向に要注目だ。

【参考】テスラの動向については「テスラのロボタクシー、「急がば回れ」の典型例!人間的AIに固執」も参照。

■【まとめ】日本でもFSD実証開始、開発さらに加速

ロボタクシーの展開も気になるところだが、テスラは2025年8月、日本国内でFSD(Supervised)のテスト走行を開始したことも発表した。

FSD搭載台数が増えれば増えるほど収集可能なデータも増加し、自動運転機能は進化していく。限りなく自動運転に近づいた感を受けるFSDの動向にも注目だ。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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