テスラの自動運転機能、「人間の知性レベル」に到達か マスク氏が言及

FSDの最新Ver.をリリース予定



テスラのイーロン・マスクCEO=出典:Flickr / Public Domain

米EV(電気自動車)大手テスラの新機能について、同社CEO(最高経営責任者)であるイーロン・マスク氏は「クルマがまるで知覚を持つ存在のように感じられるだろう」と自信を見せている。

マスク氏はテスラのADAS(先進運転支援システム)である「FSD(Full Self-Driving)」の最新バージョンが、3段階に分けてリリース予定であると2025年9月25日にX(旧Twitter)で発表した。最初のバージョン14.0は「来週」、つまり10月初めには初期の大規模リリースが始まるようだ。そして最後の段階となるバージョン14.2では、リリース対象がより拡大される。


なおFull Self-Drivingは直訳すると「完全自動運転」になるものの、実際は自動運転機能とは呼べずADASにとどまる。また現在一般にリリースされているFSDは「FSD Supervised(監視あり)」となっている。

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■3段階で最新バージョンをリリース予定

Xで、あるユーザーがマスク氏にコメントを送り、マスク氏はそれに返答した。以下がそのやり取りだ。

<日本語訳:ユーザー>
ここ最近のテスラFSDでの3回の乗車は、まったく完璧だった!本当に完成に近づいていると感じる。でも、最優先はやはり安全。セーフティドライバーがいることを恥じる必要はない… 完璧中の完璧になる必要があるのだから。だからみんな落ち着いて、開発を見守ろう!


<日本語訳:イーロン・マスク氏>
バージョン14.0は来週から早期の大規模リリースが始まり、その約2週間後に14.1、そして最終的に14.2がリリースされる。14.2になる頃には、その車はまるで知覚を持つ存在のように感じられるでしょう

マスク氏のこの発言により、テスラがFSDの更新版を展開する準備を進めていることが判明した。3段階に分けてのリリースについての詳細は明かされていないが、まずはテスラの関係者やインフルエンサーに新しいソフトウェアが提供されるようだ。その後、バージョン14.2でより広範なリリースが行われる見込みだ。その時点までにテスラはバグを修正し、熱心なテスラのファン層が受け入れやすいよう調整を進めていくと予想されている。


過去2回のリリースの例を見ると、当初は提供先が一部のアーリーアクセスグループやインフルエンサーに限定されており、一般のオーナーがFSDのバージョン12や13のアップデートを受け取ったのは、それぞれ12.2および13.2のリリース時だったという。そのため今回も14.2から一般に公開される可能性が高い。

■テスラ車が知覚を持つように!?

そしてFSDバージョン14.2では「クルマがまるで知覚を持つ存在のように感じられる」とマスク氏が豪語したことについて、特に米国で話題になっている。

そもそもFSD(Supervised)は、ドライバーによる能動的な監視の下、全ての運転に対応するよう設計されたADASだ。ルート案内やステアリング操作、車線変更、速度制御、駐車などを含む運転操作をインテリジェントかつ正確に実行する。

高速道路などに限定せず、住宅街などを含む一般道路でも作動させることが可能だ。信号や道路標識も認識し、信号に従って交差点でゆっくり車両を停止することもできる。

自動運転に限りなく近づいていると言えそうだが、あくまでドライバーの常時監視を必須とするレベル2・レベル2+に相当する機能にとどまる。ただし市街地をはじめとする広範囲でレベル2+に対応したシステムを実装している自動車メーカーはテスラ以外にはない。他社は高速道路をはじめとした自動車専用道路におけるレベル2+からまだ脱却できていないことを踏まえると、テスラの技術は自動車メーカーの中で図抜けていると言えよう。

次回のリリースではより洗練された機能になり、まるで知覚を持つ存在、つまり人間のような認知や感知を実現するようになるのだろうか。期待が高まる。

■テスラに期待する声多数

マスク氏のXに寄せられたコメントの中で、「セーフティドライバーがいることを恥じる必要はない」という部分だが、テスラが現在サービスを展開中の自動運転タクシー(ロボタクシー)について励ましているように思える。

テスラのロボタクシーは2025年6月から始動しているが、セーフティドライバー同乗のもとでの運行となり、「自動運転とは言えない」との批判も多い。しかし完全自動運転車はまだ実用化できていないにしろ、同社の技術が優れているのは確かで、これから公開される最新機能に期待するファンも数多くいる。テスラはその期待に応えることができるのだろうか。続報を待とう。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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