完全自動運転のトヨタ車、インドで目撃か モディ政権と対立も

RAV4にLiDARセンサーを4機搭載

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出典:Flickr / DennisM2 (CC0 1.0 : Public Domain)

インドで完全自動運転かもしれないトヨタ車が目撃される──。現地メディアなどの報道によれば、「自動運転の目」と呼ばれるLiDARセンサーを搭載したトヨタのクロスオーバーSUV「RAV4」が、インド国内で8番目に人口が多いプネーの公道を走行しているのが発見された。

LiDARは全部で4機設置されており、リアのフロントガラスには「ON TEST BY ARAI, GOVT OF INDIA」というステッカーが貼られていた。ARAIとは「インド自動車研究協会」のことで、トヨタとARAIが共同で自動運転の実証プロジェクトを展開している可能性が高い。

■ガッカーリ道路相は解禁に難色
出典:Wilipedia Commons (Public Domain)

インドのモディ政権は自動運転技術の実用化・普及に難色を示している。ニティン・ガッカーリ道路交通大臣は2023年12月、出席した自動車関連イベントで自動運転車をインド国内で解禁させない方針を示している。導入により人間のドライバーが職を失うことを防ぐためだ。

そもそもインド国内は道路環境が悪いエリアが多く、自動運転には向かないという見方もあったが、同相は雇用を維持するために解禁はしないという立場だ。「自動運転車を導入すれば、インド国内で約7万〜8万人の雇用が奪われる」と指摘している。

この発言はインド国内でも広く注目されたが、そんな中でLiDAR搭載のトヨタRAV4が目撃され、インドが解禁・禁止のどちらの方向性に向かっていくのか、関心が高まっている。

■RAV4には4つのLiDARが設置

現地メディアの報道によれば、トヨタのRAV4のテスト車両は2020年と2021年に目撃されていたが、今回のようにLiDARが搭載されているのがはっきりと確認されたのは初だという。

LiDARはリーフの上、リアバンパー、フロント左のホイールウェル、そしてもう1つは反対側のオイールに設置されていたという情報がある。

現地メディアなどは「インドの道路における自動運転シナリオの実現可能性を評価するためにARAIに採用された可能性があるのでは」「ARAIはインドの交通状況から生のデータを収集し、自動運転アルゴリズムの校正や開発を行っているのかもしれない」といった予測をしている。

■自動運転車の導入可能性は出てくるのか

中国に代替する巨大市場として今注目度が高まっているインド。そのインドで自動運転車の実用化・普及が始まるかは、自動車業界にとっては非常に大きな関心事だ。

大臣からは拒否反応が出ているものの、今回のARAIとトヨタ車の実験結果によっては、導入可能性も出てくるのだろうか。引き続き、注目だ。

【参考】関連記事としては「自動運転とインド」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)



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