トヨタ、自動運転実証で「車外の画像データ」取得 e-Palette搭載センサーなどから

原則、画像データの第三者提供はなし



出典:Flickr / DennisM2 (CC0 1.0 : Public Domain)

トヨタが自動運転機能の開発のため、自動運転シャトルなどで実証走行中に「車外画像データ」を取得していることが、このほど分かった。自動運転シャトル「e-Palette(イーパレット)」や自動運転試験用「Lexus LS」に搭載した画像センサーでデータを取得する形だ。

▼車外画像データを用いたMaaS自動運転機能開発に関する実証実験|トヨタ
https://global.toyota/pages/global_toyota/sustainability/privacy/posts/automated_driving.pdf







■静岡県や東京都内で実証実験を実施

この実証実験は2023年10〜11月に静岡県と愛知県で行われ、画像データを取得。また2023年11月〜2025年2月には、静岡県にあるトヨタの東富士研究所周辺のほか、東京都のトヨタの施設周辺やお台場、芝浦埠頭周辺でも行うとされている。

具体的には、このエリアを走行するe-Paletteと「P4 Automated Driving Test Vehicle(自動運転試験用Lexus LS)」に搭載した画像センサーにて、動画形式の画像データを取得するという。画像データの利用目的は、「自動運転機能の開発に利用するため」としている。

トヨタによると、原則として今回の実証実験で取得する画像データは第三者提供しないという。また取得から10年程度はこの画像データを保存することを予定している。その間に開発した自動運転機能の安全性や品質の検証のために、この画像データが必要となる場合があるためだ。

ただし、この期間内であってもこれ以上は利用しないと判断できた場合には、速やかにデータを削除するとしている。

出典:トヨタプレスリリース
■画像データ取得による個人情報保護対策などは?

今回の実証実験でトヨタが取得する画像データには、歩道や道路脇を歩く人や、前方や隣接する車線を走行する車両のナンバーなどが映り込む可能性があるようだ。同社はこのデータを個人情報として、個人情報保護法その他の関連する法律を順守し取り扱うという。また映り込んだ人のプライバシーを尊重するための取り組みも行っている。

具体的には、画像データに対するアクセス制限やアクセスログの管理や、画像データに映り込む人や車両のナンバーを個別に検索できない形式での保管、画像データに映り込んだ人や車両について個別に追跡したり、その行動特性や移動傾向などを分析したりすることの禁止といった対応だ。

■e-Paletteとはどんなモビリティか

今回の実証実験では、画像センサーを搭載したe-Paletteが用いられる。

e-PaletteはMaaS向けの多目的EV自動運転車だ。Autonomous Vehicle(自動運転車)とMaaSを融合させた、トヨタによる自動運転車を利用したモビリティサービスを示す造語「Autono-MaaS」を具現化する存在として、電動化、コネクテッド化、自動運転化が図られたモビリティとなっている。

トヨタのオウンドメディア「トヨタイムズ」ではe-Paletteの最新ニュースとして、社会実装を控えた手動運転も可能な運転席があるタイプと、将来の無人自動運転を見据えた運転席がないタイプの2種類について説明されている。まずは2020年代前半に、運転席があるタイプを用いた実社会でのサービス提供をスタートし、運転席がないタイプは建設中の実証都市「Woven City(ウーブン・シティ)」などを見据え開発が進んでいるという。

なお運転席がないタイプの活用例として、「コンビニ仕様のe-Palette」が紹介されている。コンビニ以外でもカフェなどに内装の変更が可能だという。

■消防活動への利用可能性を検討するための実証も

トヨタは以前から、試験車や一部の顧客の車両などに搭載したカメラを利用し、走行環境の画像データを取得している。対象になっているのは高度運転支援システム「Toyota Teammate」と「Lexus Teammate」、先進安全システム「Toyota Safety Sense」、「Lexus Safety System +」を搭載している一部の車種だ。特定の条件を満たした場合に限り、動画形式でデータを取得している。

2022年12月からは、大阪府堺市消防局管内にて実証実験を行っている。同管内を走行するバスやタクシー、トラックなど約400台にドライブレコーダーを搭載し、車外の画像データを取得するという内容で、堺市消防局と共同で実施している。

この実証実験の目的は、車外画像データの消防活動への利用可能性についての検討や、車外画像データを消防活動のために利用するシステムの開発に利用するためとなっている。

トヨタは以下のページで車載カメラによる走行環境画像の取得などについて説明している。詳しい情報を知りたい人は、以下のリンクを参照してほしい。

▼車載カメラによる走行環境画像の取得と利用について
https://global.toyota/jp/sustainability/privacy/on-board-cameras-initiatives/

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)









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