ホンダの新ADAS「Honda SENSING 360+」の実力は?

ドライバーの状態確認機能などに注目



出典:ホンダプレスリリース

ホンダは2023年11月22日までに、最新のADAS(先進運転支援システム)「Honda SENSING 360+(ホンダ・センシング・サンロクマル・プラス)」を発表した。車両周辺の死角をカバーし、交通事故の回避やドライバーの運転負荷の軽減をサポートする全方位安全運転支援システムとなる。

同社は2021年10月に「Honda SENSING 360」を発表し、2022年に中国で販売された「CR-V」から搭載を開始している。そのバージョンアップ版とも言えるHonda SENSING 360+は、2024年に中国で「ACCORD(アコード)」から適用を開始し、その後グローバルでの展開を予定しているという。







■Honda SENSING 360+の実力

今回発表したHonda SENSING 360+は、従来のHonda SENSING 360の機能に加え、新たにドライバーモニタリングカメラや高精度地図を採用することで、ドライバーの状態確認や車両の制御機能が向上し、運転負荷を軽減させることを可能にした。

それにより、健康起因やヒューマンエラーで発生する事故を抑制し、全ての人が心から安心して自由に移動できることや、「積極的に出かけたい」「もっと遠くまで行きたい」と思えるようなクルマの提供を目指す。

■高速道路でのハンズオフ機能などを搭載

Honda SENSING 360+の主な特徴を紹介しよう。

まずは「ハンズオフ機能付高度車線内運転支援機能」だ。高速道路などを走行中、システムがアクセルやブレーキ、ステアリングを操作し、ドライバーがハンドルから手を離しても車速や車線内の走行を維持できるよう支援する。

高精度地図とGNSS(全球測位衛星システム)により、自車位置を特定する。先行車がいない場合は、ハンズオフでも設定した車速を保ちながら車線の中央を維持するように走行し、先行車がいる場合には適切な車間距離を保って追従する。カーブでは曲率に応じた加減速を行うことができる。

出典:ホンダプレスリリース

続いては「レコメンド型車線変更支援機能」で、ハンズオフ機能付高度車線内運転支援機能で高速道路や自動車専用道を走行中に、自車より車速の遅い先行車を検知すると、システムが周囲の状況を判断する。追い越し可能と判断した場合は、通知後にドライバーが手元のスイッチで追い越しを承認、ウィンカー操作や加減速、ステアリング操作を行い、追い越しや車線復帰を支援するという仕組みだ。

また、経路誘導モードではナビの経路案内に基づき、目的地に向かうための車線変更を提案する。ドライバーの承認が得られると、システムが自動的に分岐進入、退出までの一連の車線変更を行う。

出典:ホンダプレスリリース
■ドライバー異常時対応システムで事故防止

そのほか高速道路などでカーブを走行する際、即座に減速しないと事故のリスクがあると判断した場合に適用される機能もある。これが警告や減速支援を行うことでカーブ路外逸脱事故の発生を抑制する「カーブ路外逸脱早期警報」だ。

出典:ホンダプレスリリース

また、駐停車中において後側方に接近する車両を検知するとインジケーターを点灯させ認知を支援する「降車時車両接近警報」もある。

出典:ホンダプレスリリース

最後は、走行中にドライバーの体調急変などにより運転を継続できなくなった場合に、同一車線での減速・停車を支援する「ドライバー異常時対応システム」だ。ドライバーがシステムからの操作要求に応じなかった場合に段階的に警告音を強めていき、ドライバーが操作要求に応じるよう促す機能になる。

それでも応じない場合は、ハザードランプとホーンで周囲に注意喚起しながら同一車線での減速・停車を支援しつつ、緊急通報サービスでコールセンターへ接続し、ドライバーや同乗者、周囲の交通参加者の安全を確保する。運転中のドライバーの体調急変は、重大事故につながる可能性があるため、こういったシステムは非常に有用だ。

出典:ホンダプレスリリース
■ハンズオフ機能の適応範囲をいずれは拡大?

ホンダは2021年3月に、世界で初めて自動運転レベル3を実現した「Honda SENSING Elite」搭載の新型「レジェンド」を発表した。この技術開発で培われた知見を生かしたものがHonda SENSING 360で、それをさらに進化させたのがHonda SENSING 360+になる。

ハンズオフ機能などは、現状では高速道路や自動車専用道の走行中のみという制限があるが、いずれは適用範囲を一般道に拡大する可能性もありそうだ。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)









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