鴻海系MIH、自動運転レベル2〜4対応のEVコンセプトカーを発表

その名も「Project X」、CEOがお披露目



MIHコンソーシアムのジャック・チェン最高経営責任者(CEO)と3シーターのProject Xコンセプトカー=出典:MIHコンソーシアム・プレスリリース

世界規模での展開を掲げるEV開発プラットフォーム「MIHコンソーシアム」は2023年10月25日、自動運転レベル2〜4にカスタマイズ可能なEV(電気自動車)コンセプトカー「Project X」を発表した。

Project Xは3人乗りの車両で、自動運転タクシーや自動配送などの用途で使用することを想定してデザインされている。「Japan Mobility Show 2023」において、同コンソーシアムのジャック・チェン最高経営責任者(CEO)が発表した。


MIHコンソーシアムは、台湾の電子機器製造企業である鴻海精密工業(Foxconn)が主導するEVの共同開発プロジェクトで、部品メーカーやソフトウェア開発企業など2,000社以上とネットワークを築いていることで知られる。

■レベル2〜4に対応可能な車両

報道発表ではProject Xを「アライアンス初のモビリティ分野で代表的な成果となる3人乗りコンセプトカー」と説明している。自動運転に関しては、人間が走行する前提のレベル2(部分運転自動化)から、特定域内での完全自動運転となるレベル4の水準でも展開可能だという。

自動運転のほか、Project Xの特徴の一つとしては「効率的なスライドドア」があり、乗客の迅速で快適な乗り降りと、荷物の迅速な積み下ろしに最適化されているという。

また、車体サイズは1つの駐車枠に2台の車両を駐車できるよう設計され、「フリート(車両管理)オペレーターの駐車スペース利用率を高めることができる」と強調されている。


バッテリーに関しては、固定式バッテリーシステムとバッテリー交換デザインを組み合わせており、航続距離への不安が解消されるようにした。航続距離は170キロで、最高速度は時速120キロとされている。

■「スマート・ドライビング」も事業領域

EV市場におけるティア1サプライヤーとしての地位確立を掲げているMIHコンソーシアム。事業領域を「スマート・ドライビング」「スマート・コネクティビティ」などにも広げ、EVの自動運転化にも本腰を入れて取り組んでいる。

自動運転レベル2〜4対応のEVコンセプトカーであるProject Xは、東京ビッグサイトで11月5日にかけて開催されるJapan Mobility Show 2023において展示される。来場者から大きな関心を集めそうだ。

【参考】関連記事としては「世界最強の自動運転連合に!台湾MIH、加盟2,600社突破」も参照。


記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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