「遠隔運転」でレンタカーを完全無人配達!米でサービス開始

Halo.Car、「安全要員」すら乗せずに



出典:Halo.Car公式サイト

レンタカー事業を展開している米Halo.Carは2023年7月5日までに、レンタル用の電気自動車(EV)を「遠隔運転」でユーザーの元に届けるという同社独自のサービスにおいて、念のため乗せていたセーフティドライバーを乗せることをやめた。

このサービスはネバダ州で展開されており、セーフティドライバーを乗せることをやめたことで、さらにレンタカー配車サービスの無人化が進んだ形だ。


将来的にはこうしたレンタカーの無人配達サービスは、自動運転タクシーに取って代わられる可能性が高い(※呼べばいつでも無人で自宅に来てくれて、しかも自分で運転しなくても好きな場所に移動できるため)が、こうしたビジネスは自動運転タクシーが普及するまでのちょうど良い「つなぎビジネス」であると言え、注目に値する。

■5Gネットワークによる遠隔操作が鍵のビジネス

Halo.Carは約1年前から、遠隔操作でのレンタカーのデリバリーを行ってきたが、安全のため常にセーフティドライバーが同乗していた。しかし前述の通り、車内を完全無人にして車両を届けるサービスにフェーズを移行した。

完全無人でレンタカーを届けるこのサービスは、ラスベガスのダウンタウンで午前8時〜午後6時に利用できる。導入された車両はシボレー・ボルトEVと韓国KIAのハイブリッドカー・ニロで、合計20台のようだ。


Halo.Carの車両には、カメラ6台のほかモデムやアンテナなどが装備されており、同社のオペレーションセンターにいるオペレーターにデータを送ることができる。オペレーターは送信されてきた動画やセンサーのデータを使い、5Gネットワークによる遠隔操作でクルマを走らせる。信頼性の高い高品質なストリーミングと低遅延を確保するため、データストリームがその時点で最も強いネットワーク接続を使用するアルゴリズムを開発したという。

配車を完了すると、車両のコントロールの主体がユーザーに移行されるという仕組みになっている。

■当面は「尾行車あり」でのレンタカーを配達

ただし、当面は遠隔操作する車両を尾行する車両が後方からついて行くことになる。尾行車両にはドライバーが乗っているため、必要に応じ遠隔操作する車両を停止させ、運転をすることができる。念のための措置だ。

また、尾行車は遠隔操作車両と他の車両とのクッションとしても機能するという。遠隔操作車両が緊急停止をした場合、他の車両などが追突することを防ぐことができる。なおネバダ州の自動運転車に対する決まりに準じ、遠隔操作車のシステムに異常を検知すると、車両が停止するという仕組みになっているようだ。


尾行車両については、走行状況を見て、今後1年間でエリアや時間帯によって段階的に廃止していく予定のようだ。

■今後ラスベガスで「数百台」を展開予定

Halo.Carの創業者兼CEO(最高経営責任者)であるAnand Nandakumar氏は、ドライバーレスカーで先行するWaymoCruiseが道路の真ん中で停止し、交通の妨げとなるトラブルを何度も起こしていることについて、「自動運転車両にドライバーが同乗していない場合、解決しなければいけないシナリオがたくさんある」とコメントしている。

その上で、「Halo.Carが今回開始したサービスが、公共の混乱を最小限に抑え、全ての道路利用者にとって絶対的に安全であることを確認したい」と語った。

Halo.Carは今後ラスベガスで保有する車両を数百台に増やし、2024年には新たな都市にも拡大する計画だ。これまでほとんどなかったと言える遠隔操作でのレンタカー配達ビジネスに取り組む同社に、引き続き注目だ。

▼Halo.Car公式サイト
https://www.halo.car/

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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