機能をサブスク提供、まるでテスラ!ベトナムのEV企業、自動運転レベル3〜4の実装も

新興のVinFast、今後注目度アップか



出典:VinFast公式サイト

ベトナムの自動車メーカーVinFast(ビンファスト)は2022年1月21日までに、内燃エンジン自動車の生産を停止し、2022年後半からEV(電気自動車)の製造にシフトすることを発表した。

このこと自体にもニュース価値があるが、自動運転ラボとしては、EVの一部モデルにADAS(先進運転支援システム)や自動運転機能を搭載する計画であることに注目したい。


EVのラインナップは、A〜Eの5つのセグメントから展開する予定で、このうちセグメント「D(VF8)」とセグメント「E(VF9)」のモデルは、Eco/Plusバージョン向けに自動運転レベル2+、Premiumバージョン向けに自動運転レベル3〜4の機能が搭載されるという。

一般的に、自動運転レベル2はADAS、自動運転レベル3以上は自動運転機能に相当する。

■ADASを「買い切り型」と「サブスク型」で提供

ADAS(先進運転支援システム)などについては、「買い切り型」と「サブスク型」の2つの方法で顧客に提供することについても注目だ。

米国では、買い切り型は6,500ドル(約74万円)、サブスク型は月額135ドル(約1万5,000円)に設定する。本国ベトナムにおいては、買い切り型が1億2,000万ドン(約60万円)、サブスク型が月額250万ドン(約1万3,000円)のようだ。


高性能なADASや自動運転機能をオプションで提供するやり方は、米EV大手テスラと同様だ。テスラも、現時点ではADASに留まる「FSD(Full Self-Driving)」というソフトウェアを、買い切り型とサブスク型で提供している。

■ベトナム企業VinFastの今後の躍進に注目
出典:VinFast公式サイト

VinFastという自動車メーカーの知名度は、日本ではまだ低い。2017年設立のVinFastは、ベトナムの巨大コングロマリットであるVingroupのグループ企業だ。ベトナム北部の都市ハイフォンに、最先端の自動車製造複合施設を所有する。

自動車業界においてベトナム企業への注目度は決して高くないが、そうした風潮を「EV×自動運転」で打ち破ることができるか、注目だ。


▼VinFast公式サイト
https://vinfastauto.com/investor/

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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