米自動車メーカー大手GM(ゼネラル・モーターズ)は2021年12月20日までに、傘下で自動運転開発を手掛けるCruiseのDan Ammann最高経営責任者(CEO)が退任したと発表した。退任の理由は不明で、電撃退任といった様相だ。
現在のCruiseの社長兼CTO(最高技術責任者)であるKyle Vogt氏が暫定CEOに就任する。Vogt氏はCruiseの創業者であり、Ammann氏の前にCEOを務めていた。
GMの株価は、この突然の退任発表後に約4.5%下落。このことからも、Ammann氏の退任が予想外であったことをうかがわせる。
■Dan Ammann氏が喫した「失点」とは?
Ammann氏は、ウォール街の多くのアナリストからも一目置かれていた投資銀行出身の人物だ。GMに入社後、CFO(最高財務責任者)と社長を務め、2016年にはCruiseの買収に大きく関与した。Cruiseを買収後、2018年にVogt氏に代わって同社のCEOとなった。
CruiseをGMに買収された後、ホンダやソフトバンク・ビジョン・ファンド、ウォルマート、マイクロソフトなどから投資を受けた。Ammann氏はこうした資金集めの立役者だった。
しかしその後、Ammann氏の思い通りに計画は進まなかった。Cruiseは2019年にサンフランシスコで自動運転タクシーを展開する計画を立てていたが、安全上の懸念などを理由に、その計画を延期した。このことにより先行するGoogle系Waymo(ウェイモ)と大きな差がついた。
こうしたことが今回の電撃退任に結びついている可能性が高い、と推測を展開するメディアもある。
■創業者でエンジニアのVogt氏にバトンタッチ
創業者のVogt氏が暫定CEOとなるCruise。投資銀行出身のAmmann氏からエンジニアのVogt氏にバトンタッチしたことによって、今後のCruiseの事業にどのような影響が出てくるか、注目が集まる。
▼GM公式サイト
https://www.gm.com/
▼Cruise公式サイト
https://www.getcruise.com/
【参考】関連記事としては「GM傘下Cruise、自動運転の年表!ハンドルなしのポッド型「Origin」を発表」も参照。