自動運転、「技術開発」は米国が先行、「社会実装」は中国が先行

Audi、自動運転の社会的側面を検証



独アウディが調査を経て自動運転に関する議論を行い、自動運転に関する考え方を2021年12月6日に公開した。科学や政治、経済などの分野から19人の専門家が議論に参加した。この記事では同社の自動運転に対する考え方を紹介する。


■米国は「技術開発」で先行、中国は「社会実装」で先行

議論に参加した多くの専門家が、資金力や知識量などを考慮すると、自動運転技術でコアになるのはアメリカだと予測したという。新たな技術全てがアメリカで開発されるわけではないが、実用化されるのはアメリカの技術がメインになると考えているようだ。

一方、中国では国全体で自動運転車が走行できるインフラ環境の整備に注力しており、新技術の採用と実装については中国が先駆的役割を担うと予測できるという。

アウディの法務顧問責任者は「米国は、しばしばインキュベーターとしての役割を果たしてきた。一方、中国では新しいテクノロジーが迅速に展開され、一般に広まっていく傾向がみられる」と述べている。

■自動運転の普及には、人々からの「信頼」が不可欠

フォルクスワーゲンインテグリティの法務担当取締役は「快適性、安全性、利用可能性の向上が期待される場合にのみ、この新しいテクノロジーを受け入れる気持ちと信頼感が生まれる」と指摘している。


つまり、自動運転車と人が運転する自動車が混在する期間は、人々は自動運転車と共存するための新しいルールを学ぶ必要があるが、そのためには今から時間をかけて自動運転への人々の信頼を確立していく必要があるという。

Audiが今回公表して自動運転に関する考え方は、非常に示唆に富む内容だ。全文は以下のページから閲覧できる。ご参考までに。

▼2021年「SocAIty」調査:自動運転の社会的側面に対するアウディの取り組み
https://www.audi-press.jp/press-releases/2021/b7rqqm000001k3lo.html

【参考】関連記事としては「自動運転とは?技術や開発企業、法律など徹底まとめ!」も参照。


記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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