LiDARを開発する米スタートアップAEye(エーアイ)は2021年8月18日、米ナスダック市場に上場した。特別買収目的会社(SPAC)の米CF Finance Acquisition Corp. Ⅲとの合併を完了し、SPAC上場した形だ。ティッカーシンボルは「LIDR」。
ちなみにAEyeは8月3日に東京オフィスの開設を発表している。
▼AEye Continues Global Growth – Opens Japan Office to Meet Growing Demand for its Adaptive LiDAR
https://www.aeye.ai/press/aeye-continues-global-growth-opens-japan-office-to-meet-growing-demand-for-its-adaptive-lidar/
■2013年設立、SUBARU-SBIファンドも出資
AEyeは、米カルフォルニア州を拠点として2013年に設立された。以降、業界の注目を集め、インテルキャピタルやエアバス・ベンチャーズ、SUBARUとSBIインベストメントが共同設立したSUBARU-SBIファンドなどから出資を受けている。
公開市場への移行についてブレア・ラコルテ最高経営責任者(CEO)は「企業活動における重要なマイルストーン」と強調。その上で、「今後さらに高性能でインテリジェントなLiDARシステムの開発を加速し、安全な自動運転を市場に送り出す使命に邁進することを可能にする」とコメントしている。
同社はすでに、自動車部品大手の独コンチネンタルや電子機器製造受託サービス(EMS)企業の米サンミナ、半導体大手の米NVIDIA、自動運転トラック開発の中国企業TuSimpleなどとパートナーシップを結んでおり、ビジネスの勢いが増している印象だ。
■LiDAR企業のSPAC上場ラッシュ
従来型のIPO(新規株式公開)ではなく、SPACとの合併によって上場するLiDAR関連の企業が、続々あらわれている。
皮切りとなったのは米Velodyne Lidar。2020年9月にGraf Industrialと合併し、SPAC上場した、同年12月には米Luminar TechnologiesがGores Metropoulosと合併後に上場した。2021年4月に入ってからは、イスラエル企業のInnoviz TechnologiesがCollective Growthとの合併後に上場している。
【参考】関連記事としては「上場済みLiDAR企業4社、株価低迷からの脱却はいつ?自動運転の「目」として活躍」も参照。
日本ではまだ解禁されていないSPAC上場。従来型のIPOとは違い、厳しい審査を経ていないこともあり、最近はSPAC上場した企業の株価は低迷気味だ。売上規模がまだ小さい企業が大多数を占めていることも影響している。
こうしたことを考慮すると、AEyeも当面は株価が振るわない可能性がある。しかし、自動運転市場は将来有望で、市場拡大に伴いLiDARの需要が高まっていくこともほぼ確実だ。将来性は十分ある企業であると言える。
▼AEye公式サイト
https://www.aeye.ai/
▼AEyeプレスリリース一覧
https://www.aeye.ai/news/
※編注:この記事は特定の株式銘柄への投資を推奨するものではありません。
【参考】関連記事としては「コンチネンタル、自動運転向けLiDARの開発企業AEyeに出資!その思惑は?」も参照。