上場済みLiDAR企業4社、株価低迷からの脱却はいつ?自動運転の「目」として活躍

レベル2+以上のモデルで搭載続々



自動運転実用化に向けた取り組みが世界的に加速する中、LiDAR開発企業の株式上場が相次いでいる。2020年以後、業界におけるパイオニア的存在のVelodyne Lidarをはじめ、Luminar Technologies、Innoviz Technology、Ousterがそれぞれ上場を果たした。







各社の活躍に期待が高まる一方、株価はまだ伸び悩んでいるようだ。LiDAR企業の業績が明確に上がり、それが株価に反映されるタイミングについて考察してみよう。

■LiDAR開発各企業の株価動向

Velodyne LidarはSPAC上場で2020年9月30日に米ナスダックに上場し、ティッカーシンボル「VLDR」で取引が開始された。初日の終値は18.69ドルで、年末には27ドル台まで上昇したものの年明け後に下降に転じ、2021年4月23日時点の株価は14.00ドルとなっている。

出典:NASDAQ

Luminar Technologiesは2020年夏ごろにSPAC上場の計画が報じられ、202年12月に米ナスダック市場で「LAZR」名で株式が公開された。初日の終値は37.45ドルを記録したがその後緩やかに下降しており、4月23日時点の株価は22.18ドルとなっている。

出典:NASDAQ

Innoviz Technologyは2020年12月にSPAC上場の計画を発表し、2021年4月6日に「INVZ」名で米ナスダック市場において取引が開始された。初日の終値は10.79ドル、翌日には12.35ドルまで上昇したが、以後平行線が続いており、4月23日時点で10.67ドルの値を付けている。

出典:NASDAQ

Ousterは2020年12月にSPAC上場が報じられ、特別買収目的会社の株価は一時16ドル台まで急伸した。公式発表によると、同社は現地時間2021年3月12日に「OUST」のシンボルでニューヨーク証券取引所において取引を開始しており、初日は11~12ドルでスタートしたが、4月23日時点で9.05ドルとなっている。

出典:NASDAQ

NYダウやナスダック総合などを参照すると、近年右肩上がりを続け史上最高値の更新が相次いでいるが、急伸し続けてきたハイテク関連株は一進一退の状況で、金利上昇などさまざまな要因が絡んで伸び悩む場面が多くなっているようだ。

いずれにしろ、上場を果たしたLiDAR開発各社の株価は現状伸び悩んでいることに間違いはない。

■LiDAR市場の行方

各社ともLiDARの生産設備はほぼ整い、出荷が徐々に本格化し始めた段階が「今」だ。Velodyneは2020年、おそらく業界トップクラスとなる1万1,500超のLiDARユニットを出荷しているが、こうした数字は年々過去最高を更新していくものと思われる。

自動運転タクシーや自動運転トラックなどを開発するスタートアップとの契約が続々と発表されており、各スタートアップの開発車両の生産がまもなく本格的に始まる。

また、業績アップに大きく貢献することが予想されるのが、高度な自動運転レベル2(レベル2+)やレベル3といった自家用車への採用だ。ハンズオフやアイズオフといった高度な運転支援や自動運転に向け、LiDARを採用する量産車も今後増加する見込みだ。

フラッグシップモデルから徐々に下位モデルへの搭載が進み、LiDAR需要が飛躍的に伸びていくことが予想される。

LiDAR市場、2020年の5.8億円から2025年には84.6億円に

矢野経済研究所が2019年5月に発表した自動運転システムの世界市場に関する調査結果によると、レベル2+は2020年の約27万台から2023年には約508万台、2025年に1,472万台と大きく数字を伸ばす(いずれも予測値)。

レベル3は2020年に800台、2023年に22万台、2025年に370万台、レベル4以上は2020年に7,100台、2023年に約21万台、2025年に約180万台とそれぞれ予測している。

出典:矢野経済研究所

レベル2+以上の市場規模は、2020年の30万台弱から2023年に約550万台、2025年に2,000万台超と大幅に拡大し、これに伴ってLiDARの採用も増加するはずだ。

一方、同研究所が2020年10月に発表したADAS・自動運転用センサ世界市場に関する調査結果によると、LiDAR市場は2020年の5億8,000万円から、2023年に17億2,000万円、2025年に84億6,000万円に拡大していくと試算している。

出典:矢野経済研究所

LiDARはこのほか、測量分野やAR(拡張現実)などにも使用されており、これらの市場も今後伸びていくことが予想される。

2023年ごろには上昇傾向が顕著に?

性能アップに向けた開発もまだまだ続くため損益分岐点を明確に示すことはできないが、2023年ごろにはLiDARの社会的認知度や汎用性が高まり、量販向け低価格モデルやハイスペックモデルなど用途に合わせて採用しやすい環境が整うものと思われる。

その頃には、トップ集団の株価はすでに上昇傾向が顕著になっている可能性がありそうだ。少なからず、自動運転の実用化に向けた機運は世界的に高まっている。株価が上昇に転じるタイミングは、着実に近づいているはずだ。

■【まとめ】LiDAR市場が成熟する前の今が買い時?

世界経済全体の動向なども無視できないが、LiDAR市場は今後数年間で大きく伸びていく可能性が高い。中長期投資を視野に、株価が低迷している今のうちに手を付けておくのも一興だろう。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。同業上場企業とのJV設立や複数のM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立。設立3年で、グループ4社へと拡大し、デジタル系事業開発に従事している。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域最大級メディア「自動運転ラボ」立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術・会社の最新情報が最も集まる存在に。
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