米カリフォルニア州で「完全無人」による自動運転での公道試験走行の許可が次々と出されており、2021年1月に認可を受けた中国・百度(バイドゥ)で6社目となった。
カリフォルニア州の車両管理局(DMV)では、セーフティドライバー付きの自動運転を公道で認める「Testing with a Driver」と、完全無人の自動運転を公道で認める「Driverless Testing」の2種類の許可区分がある。
かつては「Testing with a Driver」の許可区分しかなかったが、その後「Driverless Testing」の許可区分が追加され、2021年1月時点で「Testing with a Driver」の許可は56社、「Driverless Testing」の許可は6社に出されている。
完全無人が認められる「Driverless Testing」の許可を得ている企業は、今のところ以下の6社だ。自動運転タクシーの商用サービスを世界で初めて展開したGoogle系ウェイモなどが名を連ねている。
■Waymoの背中を追うCruiseやAutoX、宅配特化のNuroも
この6社には、アリババなどが出資するAutoXも名を連ねている。シリコンバレー発祥ではあるが、米中を股にかけて活動する企業として、2020年12月には中国・深圳でフィアット・クライスラーのミニバンによる完全無人自動運転のタクシーサービスを開始した。
CruiseはGM傘下で自動運転技術の開発を手掛ける企業だ。ソフトバンクグループの投資ファンド「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」から投資を受け、ホンダも自動運転技術の開発に参画するなど、日本からの注目も高い。
Nuroは、宅配サービスのための自動運転ビークルの開発に特化した企業だ。新型コロナウイルスの影響でコンテクトレス配送の需要が高まる中、ウォルマートやドミノピザなどの小売業や飲食業大手と連携した配送サービスや医薬品の配送サービスで注目を集めている。
Zooxは現在は米Amazon傘下の企業だ。2020年12月には、最高時速120キロまで対応する自社開発した自動運転タクシー用の車両を発表した。現在、ラスベガスやサンフランシスコ、フォスターシティで公道走行実証を行っている。
そして「Driverless Testing」の許可を得た企業に新たに加わった百度は、中国ですでに完全無人自動運転タクシーの実証サービスを拡大しており、2020年9月には湖南省長沙市で、2020年12月には北京でも運転席無人での走行許可を得ている。
■今後の「Driverless Testing」許可の取得企業に注目
シリコンバレーを擁するカリフォルニア州では、次々と完全無人自動運転の許可が出され、自動運転技術を開発する企業にとっては最高のフィールドになりつつある。今後も「Driverless Testing」の許可をどのような企業が得ていくのか注目したい。
【参考】関連記事としては「米カリフォルニア州、「自動運転タクシー」が料金徴収可能に」も参照。