自動運転車への搭載を想定しているAI(人工知能)チップを開発する中国企業Horizon Robotics(地平線機器人)がこのほど、約7億ドル(約720億円)の資金調達に成功した模様だ。開発を加速させ、今年2021年にIPO(新規株式公開)を目指すねらいのようだ。
Horizon Roboticsは2015年に百度でAI開発に関わった人物が創業した企業で、すでに2020年2月時点で時価総額が30億ドル(約3,100億円)に上っており、中国企業のユニコーン(企業価値が10億ドル以上の非上場企業)の1社に数えられていた。
今回の資金調達によって時価総額は40億ドル(約4,100億円)規模まで膨らみ、ますます注目度が高まっていきそうだ。ちなみに報道によれば、今回の資金調達により、日本企業のオリックスが同社の株主の1社となったという。
■重慶長安汽車がHorizon Robotics製品の採用を決定済み
Horizon Roboticsは2019年2月に、事業拡大の段階となる「シリーズB」の資金調達ラウンドで、6億ドル(約620億円)を調達したことでも知られている。
企業パートナーとしては、ドイツの自動車メーカーのアウディや自動車部品メーカーのボッシュなどがおり、2020年には中国の大手自動車メーカーである重慶長安汽車がHorizon Roboticsの製品を採用することを決め、自動運転業界では大きな話題となった。
報道などによると、Horizon Roboticsは上海証券取引所での上場を選択肢の1つとしており、上場すれば注目の自動運転関連銘柄として数えられることになりそうだ。
■2021年は自動運転関連企業が続々と上場!?
2021年は自動運転業界の企業の上場が目立つ1年となりそうだ。今回新たに資金調達を行ったHorizon Roboticsに加え、LiDARを開発するイスラエル企業のイノヴィズ・テクノロジーズ(Innoviz Technologies)も、第1四半期中に米国市場で上場することを目指している。
Horizon Roboticsの上場に関しては、同社製品をすでに重慶長安汽車が採用を決定していることもあり、大きな注目を集めそうだ。
【参考】関連記事としては「自動運転ユニコーン、時価総額トップ10は!?」も参照。