インドと米国に拠点を持つGrand View Research社がこのほど、市場調査レポート「デジタルマップの世界市場」を発表した。デジタルマップ市場は2019年は61億9000万ドル(約6700億円)と推定され、2020〜2027年にかけて13%の年平均成長率(CAGR)で拡大するという。
自動運転車の走行にも不可欠と言えるデジタル地図。現在は自動車業界では車載ナビなどの用途で活用されているが、前述の自動運転技術の実用化やコネクテッドカーの普及で、さらなる市場拡大が予想されている。
■自動運転では「ダイナミックマップ」として活用
自動運転では、デジタルマップを3D(3次元)化した高精度地図にさまざまな動的情報などが付加され、「ダイナミックマップ」として活用される。
空間情報に加え、刻々と変化する道路情報などがリアルタイムに反映されることで、自動運転車はダイナミックマップやGPS(全地球測位システム)、そしてセンサーから取得した情報などを頼りに安全に走行することができるのだ。
ダイナミックマップやGPS(全地球測位システム)なしでの自動運転の技術も現在開発されているが、自動運転の主流なタイプはこのダイナミックマップを使ったものになるとみられている。
日本では、大手自動車メーカーなどの出資によって設立されたダイナミックマップ基盤株式会社が、2019年3月に国内の高速道路・自動車専用道の地図データ整備を終えるなど、3次元地図データやダイナミックマップの作製に取り組んでいる。
【参考】関連記事としては「【最新版】ダイナミックマップとは? 自動運転とどう関係? 意味や機能は?」も参照。
自動運転AIの羅針盤…ダイナミックマップ完全解説&開発進捗まとめ トヨタ自動車や日産なども軒並み出資、イノベーション支える必須データ|自動運転ラボ https://t.co/v2RgYWhShp @jidountenlab #自動運転 #羅針盤 #新たな地図
— 自動運転ラボ (@jidountenlab) September 23, 2018
■マップ開発事業者間の競争も激化へ
デジタル地図市場は自動車関連が多くを占め、今後は自動運転車での採用が増え、マップ開発事業者間の競争も激しさを増しそうだ。
トヨタとダイナミックマップ基盤による高精度マップ更新の実証実験も開始されており、成果に注目が集まっている。
【参考】関連記事としては「トヨタTRI-AD、効率的な自動運転用HDマップの更新に向けて実証実験」も参照。